延長十回裏2死二塁。一打サヨナラのピンチで迎えたのは、昨年の秋季大会で本塁打を打たれた浦和学院の4番・蛭間拓哉選手。何とか2ストライクまで追い込んでから、「フッ」と息を吐いて意を決した。

 勝負球は内角低めの直球。捕手のミットが「パンッ」と乾いた破裂音を立てると、球審の手が上がった。思わず「よっしゃー」と雄たけびを上げた。

 中学時代は外野手だったが、強豪・明徳義塾での指導経験を持つ飯野勝監督が投手へ転向させた。制球力とボールのキレが光る貴重な左腕。期待通りに一年生から活躍した。だが、蛭間選手に打たれたあの秋季大会では屈辱の9失点のコールド負け。

 「浦学にはどうせかなわない」-。そ...    
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