未曽有のコロナ禍に奪われた日常が再び戻ろうとしている。以前と同じ形ではないかもしれない。だが、スポーツとともに、仲間とともに。新たな生活様式の中で動きだした高校部活動の現場を巡る。

 そこにあるはずの声はかき消されていた。

 7月上旬、約4カ月ぶりに本格的な稽古を再開した荏田剣道部。面を打てど、胴を打てど、竹刀の音ばかりが道場に響く。

 大前提である。「充実した気勢というのが『一本』の条件。ルールの一番上に書いてあり、試合のときも大きな声を出すのがいい選手」。同校監督で、県高体連専門部の今里学委員長(55)は苦悩を明かす。
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