筋書きのないドラマだった。初の北陸対決となった県代表の富山第一と石川県代表の星稜による二〇一四年の全国高校サッカー選手権大会決勝。2点を追う富山第一は後半42分に初得点を挙げ、その数分後のロスタイムに同点弾。延長戦で勝ち越し、富山県勢初の日本一に輝いた。

 「あの優勝も周りの反応も、いつまでたっても忘れられない」。大塚一朗監督(54)は思い返す。県全体が歓喜に沸き、決勝のテレビ中継は、県内の瞬間最高視聴率が60%を超えた。今でも買い物の最中に「こんなところで有名人に会えるなんて」と声をかけられるほどだ。

 感動を呼んだのは単なる優勝だけではなかった。主将だった大...    
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