ボクシング界に新型コロナウイルスの感染拡大の影響が続いている。

8月21日、東京・後楽園ホールで予定されていた世界ボクシング機構(WBO)フライ級王座決定戦、中谷潤人(M・T)とジーメル・マグラモ(フィリピン)の一戦が再び延期された。当初、4月4日に決まっていたが、8月に無観客での開催に変更されていた。

2度の延期に中谷は「信念を強く持ち、目標の世界チャンピオンになる姿を見せられるように頑張っていきたい」とコメントを寄せた。

マイペースで練習を重ね、来るべき日に備えている。

中谷の世界初挑戦はファンの期待感も高い。

三重県出身のサウスポーは、デビューから20連勝(15KO)を続けており、切れ味鋭い左ストレートに一打必倒の威力を秘めている。

マグラモも強打者として知られており、フライ級とは思えない打撃戦は必至だろう。厳しい現実を乗り越え、中谷が頂点へ向けてどう闘うのか、興味深い。

元世界3階級制覇王者ホルヘ・リナレス(帝拳)が、新型コロナウイルスに感染したことが所属ジムから発表された。

リナレスは今月28日、米国でライト級12回戦を予定していた。そのためPCR検査を受けたところ、陽性と判明した。

幸い無症状で元気だが、医師から10日間の静養を指示され、その後再検査する。

ジムも保健所の指示があるまで休館する。感染が広まっていないことを祈りたい。

一方、人気世界王者の新たな動きも見られる。

世界ボクシング協会(WBA)ミドル級王者の村田諒太(帝拳)は動画投稿サイト「ユーチューブ」の個人公式チャンネルを利用し、ファン拡大を考えている。

村田は「自分たちが直接、トレーニング方法などを伝えたい」と話し、ボクシングを離れた子育て論なども好評のようだ。

「新しい広報の形として、個人がメディアになれる」と“闘う哲学者"らしい持論を展開する。

バンタム級2団体世界王者の井上尚弥(大橋)は、メッセージ入りTシャツを高校生に贈呈する。

中止になった全国高校総体に出場予定だった選手が対象で、「継続は時に力以上のものを発揮する」と記されている。

村田も井上も次の試合の具体的な日時は未定。しかし、その状況下でも決して後ろ向きにはならず前を見ている。(津江章二)