日本が誇るスーパースター、世界ボクシング協会(WBA)と国際ボクシング連盟(IBF)バンタム級統一王者の井上尚弥(大橋)が4月25日(日本時間26日)、米ネバタ州ラスベガスで、世界ボクシング機構(WBO)同級王者のジョンリール・カシメロ(フィリピン)と3団体統一戦を行うことが発表された。

国際的評価も高い井上が本場でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。興味は尽きない。

井上は昨年、世界中のファンを沸かせた。特に11月、最強決定トーナメントのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝では底力を見せた。

抜群の実績が光るノニト・ドネア(フィリピン)に右まぶたを大きくカットさせられたが、自分のペースを失わず、終盤にダウンを奪った。

ピンチに動じない精神面の強さも証明。戦績を19戦全勝(16KO)とした。

この名勝負は全米ボクシング記者協会も2019年の年間最高試合に選んだ。スリル満点の攻防はボクシングの魅力にあふれていた。

ここまでくると井上の次なる目標は「真のナンバーワン」しかない。

残る王座は世界ボクシング評議会(WBC)とWBO。そこでまずカシメロが相手に決まった。

井上は「目指すのは4団体統一。カシメロは野性的で気を抜けないが、危なげなくクリアして、前に進みたい」と力強く語った。当然だが、絶対に負けられない一戦だ。

カシメロはライトフライ、フライ級と合わせ、世界3階級を制覇している。

好戦的なファイターで、昨年11月、強豪ゾラニ・テテ(南アフリカ)を3回TKOで下した内容は圧巻だった。

左右フックには一打必倒の威力が秘められている。戦績は29勝(20KO)4敗。

井上が「ドネアより怖い相手」と表現するように油断はならないだろう。フィリピン人特有のラフでタフなスタイルが持ち味。調子に乗ると一気に連打を畳み掛けてくる。

普段から「強い選手とやりたい」と公言している井上にとって、格好の相手といえるだろう。

試合は序盤から激しい打ち合いが予想される。井上は右まぶたの傷を気にしながらジャブを伸ばし、素早い連打でKOのチャンスを狙うはずだ。カシメロは一撃に懸けるだろう。

しかし、井上にドネア戦で証明した冷静さがある限り勝利は近づいてくるはずだ。ラスベガスでの熱闘が待ち遠しい。(津江章二)