プロ野球オリックス期待の新外国人選手、アダム・ジョーンズ外野手(前ダイヤモンドバックス)が1月26日、来日した。

メジャーで7年連続25本塁打以上、通算1939安打を記録した正真正銘の超大物だ。

関西空港には約300人のファン、テレビカメラ10台を含む報道陣が約50人、記者会見場に歩を進めると揉みくちゃ状態となり「僕はマイケル・ジャクソンかと思ったよ」と、バリバリのメジャーリーガーも驚いていた。

34歳の年齢はピークこそ過ぎた感はあるものの、通算282本塁打に外野手としてゴールドグラブ賞の常連と、その実績は過去に来日した大物選手に引けを取らない。

現役生活の曲がり角に差し掛かる時、オリックスから勧誘を受けた。マリナーズ時代はイチロー氏、オリオールズ時代は上原浩治氏とチームメートだったこともあり、日本での生活に興味を持っており、決断に時間はかからなかったという。

迎えるオリックスにとっても、これ以上の補強はない。チームは5年連続のBクラスに沈み、昨年は最下位。弱点ははっきりしている。

山本由伸、山岡泰輔両投手は最優秀防御率と最高勝率のタイトルに輝き、若手投手も伸びている。だが、打線は12球団ワーストの貧打ぶり。このアンバランスを是正できない限りチームの浮上はない。

「得点力不足に泣いてきたので、そこを埋めてくれるのがジョーンズ選手」と獲得にあたった福良淳一GMが語れば、西村徳文監督も「彼を4番に置いたチーム作りを考えている。3番に(吉田)正尚を置けば怖い打線になる」と期待する。

ジョーンズだけでなく、ヤクルトの新外国人、アルシデス・エスコバー内野手(前ホワイトソックス3A)も来日した。

こちらもロイヤルズ時代の2015年にはゴールドグラブ賞に輝き、リーグ優勝決定シリーズではMVPを獲得した実力者だ。

今年の日本球界には彼ら以外にも、昨年ナショナルズでワールドシリーズを制したヘラルド・パーラ外野手が巨人に、昨季エンゼルスで大谷翔平の同僚でメジャー6年間に92本塁打のジャスティン・ボーア内野手が阪神入りした。

ソフトバンク入りの決まったマット・ムーア投手は、デビルレイズ時代の13年にはシーズン17勝を挙げた実力派。これだけの大物が次々と来日する年は珍しい。

こうした背景に、近年の米大リーグの契約事情を指摘する関係者は多い。特にフリーエージェント(FA)市場ではベテラン選手の獲得に二の足を踏むケースが目立っている。

選手会や契約弁護士が力を持つ現在の契約交渉では、複数年に高年俸を要求するのが当たり前。一方で観客動員数は全体でも減少しており、経営難に苦しむ球団も少なくない。それなら、中南米出身者を中心に若手選手を獲得した方が効率がいいということになる。

また、昨年ソフトバンクに入団したカーター・スチュワート投手は、前年の米ドラフト1巡目指名選手だが、日本の育成の優秀さや優れた環境を知り来日した。

こうしたことが、一時代前なら不可能と思われた大物の日本行きにつながっているのだろう。

荒川 和夫(あらかわ・かずお)プロフィル

スポーツニッポン新聞社入社以来、巨人、西武、ロッテ、横浜大洋(現DeNA)などの担当を歴任。編集局長、執行役員などを経て、現在はスポーツジャーナリストとして活躍中。