2020年東京五輪まで1年3カ月余りとなったが、ボクシングの実施がまだ決まらない異常事態となっている。

国際ボクシング協会(AIBA)は麻薬売買に関わる犯罪者と指摘されているラヒモフ会長(ウズベキスタン)が退任を表明し、3月29日、会長代行にムスタサン副会長(モロッコ)を選出したと発表した。

AIBAがトップ交代に踏み切り、五輪存続へ一歩前進と言えそうだが、6月のIOC総会でどういう最終判断が下されるのか。関係者、ファンは注視している。

五輪存続の結論が持ち越されている理由の一つに、AIBAの対応の遅れが挙げられる。

IOCバッハ会長が東京五輪からの実施除外を言及したのが2018年2月。16年リオデジャネイロ五輪では不可解な判定が問題となり、八百長疑惑まで噴出した。

17年11月、呉経国会長(台湾)が金銭疑惑を指摘されて辞任したが、ラヒモフ新会長もいわく付きの人物だった。

ガバナンス(組織統治)への不安は消えず、IOCの指摘も当然。改革案などの再提出が早急に求められていた。

もう一つは楽観論ではなかったか。歴史のあるボクシングが、五輪から除外されるわけがないという空気がAIBAにあったような気がする。

しかし、バッハ会長は本気だったのだ。そして、このままだと大変なこと(五輪除外)になる、という危機感が生まれ、疑惑を否定していたラヒモフ会長も辞任に追い込まれた。

果たして、結論はどうなるのか。IOCは調査委員会を設置し、AIBAの問題点を探っている。

5月に開く理事会で調査委の最終報告を受け、総会で注目の判断が下される予定だ。

アマチュアボクシングを長く取材する専門記者は「会長が代わったのが大きい。このままの流れで実施に向かうのではないか」と話している。

東京五輪に向けた選考会実施を待ち焦がれている一人が、プロの元ミニマム級世界チャンピオン高山勝成(名古屋産大)だ。

特例でアマ登録が認められた高山は、フライ級での出場を目指しており「一日一日を大切に、いつでも準備できるように調整している」という。

新たな道を選択した高山に朗報は届けられるのか。(津江章二)