前世界ボクシング機構(WBO)スーパーフライ級王者の井上尚弥(大橋)が5月25日、東京・大田区総合体育館で世界ボクシング協会(WBA)バンタム級チャンピオン、ジェイミー・マクドネル(英国)に挑戦する。勝てば日本人として5人目の3階級制覇となる。

井上は「大きな試合を組んでもらえた。やりがいがある。バンタム級で防衛の日本記録(13連続防衛)を目指したい」と意欲的に語った。

井上はこれまでライトフライ級、スーパーフライ級と2階級を制覇。抜きん出たスピード、鮮やかなコンビネーションで圧倒的な勝利を積み重ねてきた。

その半面、「もっと強い相手と闘いたい」というボクサー本能が芽生えていたのも事実。そういう意味でも今回は完全燃焼を目指せそうだ。日本のエースがどのようなパフォーマンスを見せるのか。

実はバンタム級をかなり意識しているという。歴史と伝統を誇る同級は傑出した名ボクサーを生んでいることでも知られる。「黄金のバンタム」と呼ばれ、歴代最強との評価が高いエデル・ジョフレ(ブラジル)、驚異的なハードパンチで時代を築いたメキシコのルーベン・オリバレス、カルロス・サラテらの存在感は抜群だ。

日本人の活躍も目立っている。ジョフレからタイトルを奪ったファイティング原田、“浪速のジョー"こと辰吉丈一郎、安定感が光った長谷川穂積、山中慎介…。いずれもファンを夢中にさせたボクサーだ。

さらに現在の世界のバンタム級には強者がそろっており、井上の名誉欲を満たすには格好の階級でもある。燃える材料があふれている。

果たして王者マクドネルとはどういう男なのだろうか。

アマチュアでキャリアを積んだ後、プロ転向。2013年に国際ボクシング連盟(IBF)バンタム級王座に就き、14年にWBA王座を獲得。15年には亀田和毅(協栄)に2戦連続判定勝ちしている。

戦績は29勝(13KO)2敗1分け1無効試合で、32歳。178センチの長身を利したテクニックに定評があり、勝負が後半にもつれ込むと力を発揮しそうだ。

それでも予想は井上の快勝と見られている。王者のうまさを考慮しても、井上の総合力は群を抜いている。

スタートからスピード十分の連打でペースを握り、中盤にはKOのチャンスをつかむのではないか。ワクワクするようなドラマを期待したい。(津江章二)