世界ボクシング協会(WBA)ミドル級チャンピオンの村田諒太(帝拳)が4月15日、横浜アリーナで初防衛戦に臨む。

相手は同級6位のエマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)。「タイトルは奪うより守る方が難しい」と言われるが、精神充実の村田ならまず心配はいらないだろう。

日本人の世界ミドル級王者は1995年の竹原慎二以来2人目だが、竹原は初防衛戦に失敗している。さらなる夢を追いかける村田が、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。

昨年10月、アッサン・エンダム(フランス)を7回終了TKOに破り、念願だった世界のベルトを巻いた。

5月の試合は不可解な判定に泣いた感があり、再戦では文句なしの内容で圧倒した。オリンピックの金メダリストからプロの頂点へ。エリートコースを快走する村田にはボクシング人気復活の切り札としての期待も大きい。

「ただ強くなりたい。その一心でリングに上がっています」。“闘う哲学者"は周囲の熱気の中、自分を失っていない。

今年に入り、精力的な調整を続けている。1月には沖縄県国頭村でキャンプを張り、徹底的に走り込んだ。早朝に13キロのクロスカントリーをこなし、下半身を鍛えた。

帰京後はジムワークに専念。ショート連打に磨きをかけた。ブランダムラは38歳の右ボクサーファイター。27勝(5KO)2敗とパワーはないが、細かなテクニックが持ち味だ。

村田は得意のボディーブローで相手のスタミナを奪い、中盤以降、一気に勝負をつけたい。右が効果的に決まればKOのチャンスは膨らむだろう。

現在、ミドル級最強はWBAスーパー王者ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)と見られている。間違いなく、村田は最終目標を「打倒ゴロフキン」に置いているはずだ。

山は高ければ高いほど登りがいがある。防衛戦をクリアしながら目標へまい進してほしい。実現すれば「究極の対決」として大きな話題を呼ぶのは必至だ。

15日の同じリングでは、世界ボクシング評議会(WBC)フライ級チャンピオン、比嘉大吾(白井・具志堅スポーツ)が日本新記録の16連続KO勝ちをかけ、クリストファー・ロサレス(ニカラグア)と3度目の防衛戦を行う。

「記録を達成し、自分の名前をアピールしたい」と意気込む。果たして、歴史は作られるのか。(津江章二)