持ち前の強打で人気を集め、スーパーフェザー級の頂点に立った内山高志(ワタナベ)と三浦隆司(帝拳)が相次いで現役引退を発表した。

ともに破格の一発を持ち、海外からの評価も実に高かった。しかし、盛者必衰。ボクシングの世界は特にその色合いが濃く、二人とも時の流れには勝てなかった。

日本の長い歴史を振り返ってもパワーでは群を抜いていた。引退の知らせは間違いなく、一つの時代の終わりを告げた。

前世界ボクシング協会(WBA)スーパー王者の内山は、日本歴代3位の11連続防衛に成功した。左右ともに一打必倒の威力を秘め、迫力満点の攻撃は「KOダイナマイト」と呼ばれた。

これまで日本ボクシング界は歴史を刻む強打者を生んできた。藤猛、ロイヤル小林、浜田剛史、辰吉丈一郎…。その中、内山には「歴代最強」レベルの迫力を感じていた。

静かなスタンスから機を伺い、一打で仕留める凄さ。24勝(20KO)2敗1分け。KO率は楽に7割を越えた。スリリングなファイトスタイルはいつまでも語り継がれていくはずだ。

元世界ボクシング評議会(WBC)王者の三浦はサウスポーのハードパンチャー。「ボンバーレフト」と異名を取った左強打は語り草だ。

2013年4月、王座に就き、5度の防衛に成功。王座を失ったフランシスコ・バルガス(メキシコ)戦は、米メディアから年間最高試合に選ばれたほど。倒し倒され。KOシーンの魅力にファンはしびれた。31勝(24KO)4敗2分け。こちらもKO率で内山と遜色がない。

両者は11年1月、世界戦という舞台で対決したことがある。内山の防衛戦だったが、先に内山がダウンを喫するハプニング。ここから右拳を痛めながら内山は追い上げ、最後は8回終了TKO勝ち。

左手一本でTKOに仕留めた底力に驚かされた。また、三浦もこの敗戦の悔しさをバネに世界をつかんだ。両者にとって思い出深い一戦だったような気がする。

内山は今後について、指導者の道に進みたいことを明らかにした。ボクシングへの愛情は誰にも負けない。

ジム経営に加え、テレビ解説者としても活躍してほしいと思う。冷静な判断、的確なコメントは一流王者の証でもある。(津江章二)