10月2日まで行われた女子ゴルファー日本一を争う日本女子オープン選手権(栃木県烏山城CC)で、高校3年の畑岡奈紗(茨城・ルネサンス高)が史上初めてのアマチュア優勝の快挙を成し遂げ、宮里藍が持っていた20歳の大会最年少優勝記録を大幅に塗り替えた。この大会では第3日まで首位だった15歳の長野未祈(千葉・麗沢高)が10位に入り、6位の西村優菜(大阪・大商大高)と合わせトップ10に10代のアマチュアが3人と若手の躍進が目立った。

その翌週のスタンレー・レディース(静岡県東名CC)でも、プロ転向を決めてアマチュア最後の試合となった畑岡と鹿児島高3年の勝みなみが終盤まで優勝争いを繰り広げ、連日のように新聞各紙の紙面をにぎわせた。近年はイ・ボミ(韓国)やテレサ・ルー(台湾)ら海外勢に押されている日本の女子ツアーにとっては久々に明るい話題となったが、アマチュアや海外選手に敗れたことで「日本の女子プロはどうなっているんだ」という話も出てくる。宿舎からコースに移動する際に利用したタクシーの運転手から言われたり、会場でもたびたびギャラリーからのつぶやきが聞こえてきたりした。

その中でも、一番話題となったのが日本女子オープンで1打差の2位だった堀琴音の一打だった。490ヤードと女子では距離の長いパー4の17番は、グリーンの手前に池がある難しいホールだったが、堀はフェアウエーからの第2打でグリーンを狙わずに刻み、3打目で寄せきれずボギーをたたいた。直前にアマの畑岡がフェアウエーウッドでフルスイングしてグリーンを捉え、パーを奪っていたのとは対照的で、このボギーで落とした1打の差で敗れただけに印象深かった。

グリーンを狙わず刻むことを選択した時点で、見ていた人からは一斉に「ああ」と失望交じりの声が上がった。グリーンを狙えば池につかまっていたかもしれないし、ボギーより悪い結果になったかもしれない。それでも思い切って挑戦してほしかったとその時は思った。

だが、その2週後に行われた日本オープン選手権で初優勝した松山英樹が記者会見でふと話し始めた内容を聞いて考えをあらためようと思った。「見ている人に感動を与えられるようなプレーができるといいなと思う。でも、それは人それぞれだし、その人のスタイルを見てほしい。自分のスタイルを持って、勝つためにやっているスタイルを崩さずにやることが一番ギャラリーの方が喜ぶんだと思うし、それを貫くことがプロゴルファーにとって大事なこと」

アマに敗れた堀は涙を流していた。だが、やりきった表情を浮かべていた。自分のスタイルを貫いた結果だったと思う。

杉山 勝則(すぎやま・かつのり)1984年生まれ。山口県周南市出身。2008年共同通信社入社。本社運動部、大阪運動部を経て、広島支局で主に広島カープを取材、12年末から本社運動部でゴルフ、ラグビーなどを担当。