7月下旬から9月中旬にかけ、日本ボクシング界は世界戦ラッシュに沸きそうだ。

その中、ニュースター誕生への期待が高いのが和気慎吾(古口)。国際ボクシング連盟(IBF)スーパーバンタム級王座決定戦(7月20日・エディオンアリーナ大阪)でジョナタン・グスマン(ドミニカ共和国)とグローブを交える。

28歳の和気はこれが世界戦初登場。サウスポーからの切れ味鋭い連打で高いハードルを超えられるか。

和気は1987年7月21日、岡山市生まれ。アマで実績を積んだ後、2006年10月、1回KO勝ちで幸先のいいプロデビューを飾った。

しかし、4戦目に初黒星(判定)を喫し、意外と伸び悩んだ。精神面の弱さを指摘されたこともある。

その男が13年3月、一気にブレークする。東洋太平洋(OPBF)スーパーバンタム級王者の小国以載に挑戦、10回終了TKO勝ちで念願のタイトルを手にした。番狂わせでの殊勲。この勝利で自信をつかみ、世界戦線にも浮上していく。

防衛戦は順調に消化。着実に回数を重ねた。

持ち味はスピード。軽快なフットワークに乗り、左ストレート、右フックを畳み掛ける。一打必倒の威力もあり、存在感を大きくアピールした。

14年暮れには世界初挑戦が内定寸前まで行ったが、ジムとのコミュニケーション不足もあり、世界戦は惜しくも実現しなかった。

しかし、15年から再発進。白星を続け、今回のチャンスをつかんだ。トレードマークは髪形。「リーゼントが崩れるまでに必ず相手をぶっ倒す」と堂々のKO奪取を宣言した。

ただ、試合の予想となると、簡単ではないと見る向きが多い。というのも、相手のグスマンが21戦全勝(全KO勝ち)1無効試合という破格のパンチャーなのだ。

かなりの難敵だが、本人は「スピード、スタミナには自信がある。判定勝負になっても勝てる」と強気な姿勢を崩していない。戦績は20勝(12KO)4敗2分け。

試合は序盤からKO必至の迫力ある打撃戦が見られそうだ。グスマンの強打をかいくぐり、必殺の一打を放てるかどうか。ジャブの出来も命運を左右しそうだ。

派手な言動も含め、スターになる要素は十分。ボクシング界にニューヒーローが現れるか。スリル満点の攻防は必見である。(津江章二)