「何で、こんなに強いの?」。今季、担当しているDeNAについてよく聞かれる言葉だ。交流戦前のリーグ戦終了時点の5月24日現在で29勝19敗、堂々のセ・リーグ首位に立つ。交流戦に首位で臨むのはチーム史上初と見事な快進撃が続いている。開幕前の順位予想では軒並み、下位ばかりだった。ところがペナントレースが始まると大方の予想を覆し「春の珍事」とも呼ばれる劇的な試合の連続だ。中畑監督は「最後の最後まで逆転できる空気がある。団結力を感じる」とうれしそうに話す。

なんと言ってもことしは4番打者の筒香嘉智と抑え投手の山崎康晃を固定できたことが大きい。昨季22本塁打とブレークした6年目の筒香は、今季は5月23日に打率、本塁打、打点の3部門でリーグトップに立ち、3冠王も狙える活躍だ。山崎康も新人記録の9試合連続セーブを打ち立てるなど、両リーグトップの17セーブと奮闘している。

そして投打にわたって彼らのほかにも好結果を出している選手が多い。他球団と比べると、バランスの取れた戦力構成になっているのも強みだ。打線では打撃10傑に筒香と合わせて石川雄洋、梶谷隆幸の3人が入っている。さらにともに23打点を挙げているロペス、バルディリスの両外国人も勝負強い。代打でも後藤武敏、井手正太郎が好機で頼りになる存在となっている。投手陣では久保康友、井納翔一、山口俊、三嶋一輝、三浦大輔らの安定感のある先発陣に、田中健二朗、エレラらの救援陣が支え続けた。経験のあるベテランから勢いに乗る若手まで年齢層もバランスが取れている。

ちなみに5月24日の先発メンバーを並べてみる。1番石川、2番(松井)飛雄馬、3番梶谷、4番筒香、5番ロペス、6番バルディリス、7番井手、8番嶺井博希、9番須田幸太。ロペス、バルディリス、井手を除く6人が生え抜きの選手で、地元ファンにとっては応援にも一層力が入る。土日はもちろん、本拠地の横浜スタジアムで行われる平日の試合でもスタンドが埋まっている光景は珍しくない。ファンの熱烈な後押しも心強い。

今季の補強は大規模ではなくポイントを抑えたものだった。さらに球団が最優先事項に挙げていたキューバ代表の強打者ユリエスキ・グリエルについては、残留を果たすも開幕直前にけがを理由に来日を延期したことで最終的には契約を解除した。注目される補強はなかった半面、現有戦力の底上げに成功しここまでうまく機能している。グリエルが来ていればチームの和を乱す可能性もあっただけに、かえって結束が固まったとも言える。

日本一を達成した1998年以来の頂点への期待は高まる。ただシーズンはまだ序盤戦を終えたばかり。筒香は5月24日の試合で負傷し、今後への影響が気掛かりなところ。山崎康は48試合中、すでに26試合と登板過多なのも懸念される。そして、チームは長年低迷しており、シーズンの勝負どころで優勝争いの経験不足を克服できるかが課題となる。中畑監督は「一戦必勝。完全燃焼だ」と意気込む。ここまでは間違いなくペナントレースの主役になっているDeNAの戦いぶりは、これからも目が離せない。(記録は5月24日現在)

山形英資(やまがた・えいし)2007年共同通信社入社。名古屋、大阪両運動部を経て本社運動部に異動。11年からはプロ野球オリックス、ロッテを担当し現在はDeNAを取材。熊本県出身。