ボクシング界で最高の夢対決がついに実現する。無敗で5階級を制覇した世界ボクシング評議会(WBC)ウエルター級王者フロイド・メイウェザー(米国)と6階級を制覇した世界ボクシング機構(WBO)同級王者マニー・パッキャオ(フィリピン)。この数年、誰もが待ち焦がれたスーパーファイトが5月2日(日本時間3日)、ラスベガスで開催されることになった。クリーンヒットの一言である。

ともに積み上げてきたキャリアが並ではない。メイウェザーはアトランタ五輪で銅メダルを獲得後、プロ転向。瞬時のスピード、巧みなディフェンスは出色で、既に歴史的なレベルといえるだろう。戦績は47連勝(26KO)不敗。

相手のパンチを外すテクニックは類を見ない。「アンタッチャブル」の異名を持つ38歳の男には負ける要素が見当たらず、今回の予想もメイウェザー有利と見るのが順当だろうか。

一方のパッキャオも恐ろしいファイターだ。1998年、初めて世界タイトルを獲得したが、このときは何とフライ級。その後、ウエートを上げ続けて王座を奪い、2010年には史上2人目の6階級制覇を達成した。

常に前を見続けるサウスポーのファイターは、不可能ともいえる歴史を塗り替えてきた。こちらは36歳。さすがにピークを過ぎた感はあるが、旺盛なスピリットは健在。闘志満々でゴングを待っている。戦績は57勝(38KO)5敗2分け。約6割のKO率が魅力だ。

スーパースター同士による対決は実現までのハードルが実に高い。それぞれのプロモーター、テレビ局の思惑が微妙に絡み、さらに敗れた方の“商品価値"が大きくダウンするのも否めない。

それだけに両雄の激突も条件等で折り合わず、何度もうわさにのぼったが、そのたびに話は決裂してきた。だからこそ、契約にこぎつけた両陣営の努力には素直に拍手を送りたい。まさにファンが待ちに待った一戦なのだ。

果たして、どのような展開になるのか予想してみる。パッキャオが前進、それをメイウェザーがかわし、中盤を迎えるのではないか。

ポイントは中盤から終盤にかけての攻防だ。パッキャオはあくまでもKOを狙い、強引なまでの左右フックを連打してくるだろう。しかし、これはメイウェザーの想定内。ウィービング、ダッキングのディフェンスを駆使し、パッキャオの焦りを誘う可能性がかなり高い。

最終的にはメイウェザーのテクニックが上回り、パッキャオの強打が空転するような気がする。さあ、どうなる。ゴングが待ち遠しい。(津江章二)