プロ転向以来、3戦目で早くも海外進出―。ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級金メダリストで日本、東洋太平洋同級1位の村田諒太(三迫)が2月22日、マカオで8回戦に臨む。28歳を迎えたばかりの逸材は「戦う場所は関係ない。最善を尽くすだけ」とベストファイトを誓った。

相手はスーパーウエルター級で世界挑戦経験がある40歳のカルロス・ナシメント(ブラジル)。異国でどのようなパフォーマンスを見せるのか。

ボクシングで日本に48年ぶりの金メダルをもたらした村田は昨年8月、デビュー戦でいきなり東洋太平洋王者の柴田明雄(ワタナベ)と対戦、やや荷が重いかとも思われたが、2回TKO勝ちの快勝。あらためて実力の高さを示した。

続いて12月、デーブ・ピーターソン(米国)と2戦目を行い、ダウンの経験がないという相手を8回、一気の連打で仕留めるTKO勝ち。連続KOの派手な滑り出しにも課題が浮き彫りになった。

一つはガードの甘さ。中盤にはピーターソンのパンチをまともに浴び、グラッと来る場面も。世界ランカーでなくとも、ミドル級で実績を積んできた男の一発は怖い。「油断大敵」という言葉が身に染みたのではないか。

さらに左ジャブの大切さを痛感したという。「ジャブをいかにうまく使って自分の距離を保つか。左は世界を制す、ですから」。謙虚に冷静に試合を振り返ることができるのも村田の長所だ。

マカオでは国際ボクシング連盟(IBF)のタイトルマッチがメーン興行で、北京、ロンドン両五輪金メダルの鄒市明(中国)、ロンドン五輪ライトヘビー級金メダルのイゴール・メコンツェフ(ロシア)の試合も予定されている。金メダリスト3人が登場する豪華版。世界的なプロモーター、ボブ・アラム氏がアジア進出を果たした場所でもあり、村田には豪快なKO劇を期待したくなる。

今年は4試合を行う見込み。当然のようにその先には世界挑戦の青写真が描かれている。サポートする帝拳ジムの本田明彦会長は「来年の後半には勝負したい」と見通しを口にした。アマでの実績が119勝(89KO・RSC)19敗で、五輪、世界選手権での活躍はご存知の通り。その抜群の数字には無限の可能性が秘められている。頂点を目指す村田の闘いぶりからは今後も目が離せない。(津江章二)