ことしも日本グランプリ(GP)の季節がやってきた。後半戦からレッドブルのセバスチャン・フェテルが4連勝して今季8勝。ライバルたちを大きく引き離し、4連覇は揺るぎないところまで来ている。

日本GPを含め、シーズン終了まで残り5戦もあるが、日本GPでタイトル確定の可能性が出てきた。現在トップのフェテルは272ポイントを獲得。2位のフェラーリ、フェルナンド・アロンソは195ポイントで、その差は77ポイント。日本GPでフェテルが優勝して25ポイントを加算し、アロンソが9位以下だった場合、その差は100ポイント以上に達し、残り4戦をフェテルが全てリタイアして、アロンソが4勝を追加したとしても逆転はない。

今季リタイアはマレーシアGPの1度だけ、さらに8回表彰台の結果を残したアロンソが9位以下に沈むことは考えにくいし、フェテルにしても、確かに鈴鹿サーキットは最も得意とするサーキットだが勝利するとは限らない。日本GPでチャンピオンが確定する確率は低いと言うべきだろう。

しかし、鈴鹿サーキットで開催された日本GPでは、過去24回の中でチャンピオン決定の瞬間を迎えた回数は、実に11回。確率で言えば45・8%にもおよぶ。これは、日本GPがシーズン最終戦であったり、残り2戦の開催地であったことが大きな理由なのだが、2011年日本GPでは、今回と同じく残り5戦という状況で、圧倒的な強さを見せたレッドブルのフェテルがチャンピオンを獲得した。

「何かを持っているサーキット」。鈴鹿はそう呼びたくなるほど、過去にさまざまなドラマを生んできた。

アイルトン・セナとアラン・プロストという二人の天才が2度も接触でチャンピオンを確定させたり、マクラーレンに所属していたキミ・ライコネンが、予選17番手グリッドから次々と順位を上げて最終ラップの1コーナーでトップを走行していたジャンカルロ・フィジケラをオーバーテイクして、劇的な優勝を飾ったり、他にもさまざまな名シーンがあった。

ことし12回目のチャンピオン決定のシーンを見ることができるかは分からないが、その可能性を秘めていることを念頭に置いて、レースに注力してもらいたい。(モータージャーナリスト・田口浩次)