9月14日、米ラスベガスで「夢の対決」と表現しても決してオーバーではないスーパーウエルター級の王者同士の試合が行われる。

世界ボクシング協会(WBA)スーパー王者フロイド・メイウェザー(米国)とWBA、世界ボクシング評議会(WBC)王者サウル・アルバレス(メキシコ)の一戦が間近に迫った。

ともに無敗。ファンにとって「究極」という言葉さえ使いたくなるワクワクするビッグマッチである。

まず、迎え撃つ形のメイウェザー。その卓越したテクニックは36歳をすぎた今でも決して衰えていない。「打たせずに打つ」。ボクシングの基本通りに、相手のパンチをスルリとかわし、ピンポイントで正確なパンチをたたき込む。

アトランタ五輪で銅メダル獲得後にプロ転向。スピードあふれる連打で5階級を制覇、44連勝(26KO)という抜群の実績を誇る。憎いほどの巧さには磨きがかかり、専門家の間でも「歴史的なスピードスター」の高い評価で一致している。

一方のアルバレスは23歳。メキシコの期待を一身に集める若きスラッガーだ。アマで20試合を経験した後、2005年にプロ転向。インファイトを得意とし、強引と思えるほどの連打でKOを積み重ねてきた。

11年にWBCスーパーウエルター級王座に就き、ことし4月、WBA王座も獲得。勢いはとどまることを知らない。42勝(30KO)1分けと、依然不敗をキープ。気持ちいいほどのラッシュが持ち味だ。

無敗同士の対決だが、大方の予想はやはりメイウェザーに傾いている。アルバレスのパワーは認めても、メイウェザーには当たらないだろう、とみられているのだ。

試合は初回のゴングとともにファイターのアルバレスが前進するのは間違いない。左右フックで迫り、堅固なガードを崩しにかかるだろう。これまでほとんどのボクサーがメイウェザーをつかまえられないが、果たして今回はどうか。

決戦を前に両者とも気迫を全面に打ち出している。メイウェザーが「アルバレスは若くて強い王者だ。しかし、オレとは格が違う。14日にそれが証明されるはずだ」と余裕を見せれば、アルバレスも「メイウェザーを研究してきた。トレーニングも満足に消化できたし、14日を楽しみにしている」と笑みさえ浮かべた。スリル満点の攻防は必至。どういうドラマが待っているのだろうか。(津江章二)