チェコ共和国のブルノサーキットで、8月25日に行われたモトGP第11戦で、モト2クラスに参戦する21歳の中上貴晶(イタルトランス・レーシング・チーム)が2戦連続の2位表彰台を獲得した。

前戦のインディアナポリスGPで、中上はレース途中までトップを独走したが、終盤に追い抜かれてしまい2位に終わった。今季は予選では好タイムを記録することが度々で、上位タイム3選手が占める最前列スタートを6回獲得している。一発の速さはすでに万人の認めるところだが、インディアナポリスGPの結果が示すように、序盤に上位を走行しても中盤以降に順位を下げる展開が続いた。予選の速さを、決勝の長い周回でしぶとい強さにつなげていくことが課題、といっていいだろう。

今回のチェコGPでは前戦の雪辱を期して臨み、土曜の予選で自身2回目となるポールポジションを獲得した。セッション終了間際に他選手のタイムを更新する走りで、本人も納得の予選内容だった。「この1周しかないと思って全力で集中し、バイクの性能を引き出すことができた。明日は、とにかく初優勝が欲しい。焦らずに自分のペースを貫き通して、とにかくレースに集中するだけ」と言葉からは自信も垣間見えた。

全20周で争われた日曜の決勝レースでは、序盤からトップグループを走行したものの、逃げ切りの独走態勢に持ち込むことが難しいと早めに判断。他選手を前に出して様子をうかがいながらタイヤの消耗を抑え、温存する作戦に出た。4番手から3番手を走行し、ラスト3周で2番手に順位を上げた。最終ラップで逆転を狙ったものの、小差を覆すことができず、最後は0秒590差で2位チェッカーを受けた。レース直後「悔しいですね」という言葉が口をついて出た。

「今回は優勝できると思ったんですけど、最終ラップは自分もいっぱいいっぱいで、抜くにはリスクが大きかった」。そう語る一方、追い上げられて突き放される展開ではなく、最後まで勝負できたことが自信につながったとも話した。「今回は終盤まで状況をしっかり考えて、タイヤが消耗した後でも抜き返すことができた。優勝はできなかったし、今回も2位に終わってしまったけれど、自分たちの劣っていた部分を改善できたし、レース内容は前回よりも良かった。次につながる2位だった。悔しい結果でも、さらに優勝に近づいてきたと思う」

第12戦イギリスGPは、この週末にシルバーストーンサーキットで開催される。中上にとって世界選手権61戦目となるこのレースでは、表彰台の中央に立つことができるだろうか。(モータージャーナリスト・西村章)