F1シーズンは夏休みを終え、ベルギーGPからシーズン後半戦がスタートする。注目はレッドブルとセバスチャン・フェテルが4連覇を果たすかどうかだが、実は後半になると、もう一つの見どころがある。若手ドライバーたちの実力検証だ。

レッドブルのフェテル、フェラーリのフェルナンド・アロンソ、ロータスのキミ・ライコネンと、現在チャンピオンを争うトップドライバーの多くは、いきなりトップチームと契約したわけではない。フェテルはけがをしたドライバーの代役でBMWザウバーにスポット参戦デビューした後にトロロッソ、アロンソはミナルディ、そしてライコネンはザウバーと、誰もが弱小チームか、良くて中堅チームでのデビューだ。ここ10年ほどを振り返ってみても、異例のシンデレラボーイと呼べるのは、マクラーレンからデビューを果たしたルイス・ハミルトンくらいだろう。

つまり、才能あるドライバーも、経験が少ない若手時代は、決して恵まれた環境にはいなかった。しかし、与えられた環境の中で、どのような結果を残したかによって、トップチームへの移籍を獲得したわけだ。フェテルはトロロッソ時代に、イタリアGPでレッドブルより先に初優勝を獲得して、レッドブル昇格を手にしたし、アロンソは、ミナルディで成績を残し、ルノーがテストドライバーという形で1年間囲った後に、ルノーへ移籍してチャンピオンを獲得した。高校野球で次世代のプロの怪物を探すのと同じで、チャンピオン争いだけではなく、若手の台頭もシーズン後半にチェックしたいポイントだ。

そして今年、注目を集めている若手ドライバーが、マルシャのジュール・ビアンキとトロロッソのダニエル・リカルドの二人。実はリカルドは来年のレッドブル昇格がほぼ確定という情報もあり、ビアンキも近い将来フェラーリへの昇格が噂されている。

どうしても後続争いには目がいかないものだが、チームのスカウト気分で、一人か二人のドライバーに注目してシーズンを追っていくと、また違ったレースの楽しみ方ができるので、ぜひともシーズン後半は、自分だけの注目ドライバーを見つけてもらいたい。(モータージャーナリスト・田口浩次)