8月1日、亀田3兄弟の三男、亀田和毅(亀田)がフィリピンのセブで世界ボクシング機構(WBO)バンタム級の新王座に就いたニュースには考えさせられた。実は老舗団体の世界ボクシング協会(WBA)は亀田家長男の興毅(亀田)、世界ボクシング評議会(WBC)は山中慎介(帝拳)がバンタム級王者として君臨している。チャンピオンの乱造が目立つ昨今、これからはファンがさらに「真の最強」を見極める時代を迎えたのではないか。

和毅の世界挑戦が実現した背景には日本ボクシングコミッション(JBC)が4月、国際ボクシング連盟(IBF)とWBOへの加盟を認めたことがある。もし、認定していなければ和毅は依然として世界ランカーのままだろう。なぜなら兄に挑戦するのはありえないし、実力者・山中と対戦することも考えられない。さらに特例にも恵まれた。WBOへの国内挑戦は東洋太平洋か日本王座の獲得経験者に限られる内規があるが、海外では誰でも挑戦できるからだ。その恩恵を利用し、王座奪取にこぎつけた。

亀田3兄弟の中では早くから「才能は和毅が一番」とみられていた。確かに2人の兄とは違い、左ジャブを主体にしたオーソドックスなスタイルが持ち味。戦績も28戦全勝(18KO)と負けを知らない。しかし、実力が本物かどうか、にはまだ疑問符を打たざるを得ない。世界的な強豪との対戦はなく「作られた記録」の匂いがするのも事実。これからリング上でそういう声を封じるファイトを期待したい。

そこで興味深いのが12日、大田区総合体育館で4度目の防衛戦を行う山中だ。相手は同じサウスポーの同級7位ホセ・ニエベス(プエルトリコ)。得意の左ストレートにますます磨きがかかる王者の3連続KO防衛なるか、が最大の見どころだろう。「神の左」とも形容される豪打が再び炸裂する可能性は高いと予想する。

山中の真価が遺憾なく発揮されたのが昨年11月の2度目の防衛戦。元世界王者のトマス・ロハス(メキシコ)を7回、鮮やかな左ストレート一撃でキャンバスに沈め、強さを存分にアピールした。続くことし4月の防衛戦でもベテランのマルコム・ツニャカオ(フィリピン=真正)を最終12回に仕留めた。「左ストレートに、どんどん威力がついていると感じている」と山中は自信満々だ。果たして、ファンを納得させられるか。(津江章二)