モータースポーツ大国スペインの勢いは、とどまるところを知らない。5月5日にアンダルシア地方のヘレスサーキットで決勝レースが行われた第3戦スペインGPは、ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)が優勝。会場から溢れるほどの地元大観衆を大喜びさせた。金曜の練習走行段階から好調な走りを披露。「前戦もいいフィーリングだったが、今回はさらに気分よく走れている。このサーキットで何度もレースをしている経験や(自分を応援してくれるファンの)雰囲気がいい、という理由も大きい」と話した。

最高峰クラスのモトGPに昇格した2006年以来、このヘレスサーキットでは毎年表彰台に登壇している。今回の決勝レースでは早い段階でトップに立つと、周回ごとに後続選手を引き離して独走態勢を築き上げ、トップでチェッカーを受ける圧勝の展開だった。「今日はどれくらいのお客さんがいたのか分からないけれども、これだけの大観衆の前で勝ててとてもうれしい。最終ラップは感無量だった」と振り返った。この日の観客動員数は11万1259人。金曜からの3日間総計では、21万9020人に達した。

2位には超大型ルーキーのマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)、3位に2012年王者のホルヘ・ロレンソ(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)が入り、スペイン人選手が表彰台を占拠した。

モトGPクラスに先だって行われた最小排気量のモト3クラスでは、若手有力選手のマーベリック・ヴィニャーレスが優勝。中排気量のモト2クラスでも、エステベ・ラバトが圧勝を飾り、3クラスともにスペイン人が制覇した。さらに、今季の過去2戦を振り返ると、開幕戦カタールGPと第2戦アメリカスGPでも、3クラスともスペイン人選手が優勝を飾っている。つまり、2013年のレースは、ここまでスペイン選手しか優勝していない、というわけだ。

スペインは昔からモータースポーツが盛んなお国柄で、メディア露出も日本でいえばプロ野球のような認知度を誇る。だが、人気だけでは現在のこの圧倒的な強さの説明がつかない。ロレンソは「競技人気に加えて国内統括団体の選手育成がうまく機能しているからだろう」と説明する。「若く有望な能力を育てるシステムが上手に働いているから、あと5年くらいはスペイン選手の強い時代が続くと思う」。

ペドロサ27歳、ロレンソ26歳、マルケスは20歳。この年齢を見ても、ロレンソが指摘する通り、スペイン最強時代は当分の間続きそうだ。(モータージャーナリスト・西村章)