3月29日、女子として初めて講道館柔道九段となった故福田敬子さんをしのぶ会が東京都内で開かれた。約50人が出席。後半生を送ったサンフランシスコ(アメリカ)から遺族が持ち帰った遺骨を前に、53歳で渡米し柔道の海外普及に生涯をかけた故人をしのんだ。主催したのは、「日本女子柔道倶楽部」のメンバー。同倶楽部は1988年ソウル、1992年バルセロナ五輪当時の全日本女子強化選手を中心に2000年、柔道普及と親睦を目的に発足した。元選手のほか、会の趣旨に賛同した男女約100人がメンバーとなり、現在は代表の山口香さん(筑波大大学院准教授)をはじめ、10人ほどが中心となって活動している。

発足当初から、「キッズじゅうどう」という柔道体験プログラムを全国各地で行い、地道に活動を展開。単なる普及だけでなく、引退後に柔道から離れていた元選手たちが講師を担当することで、再び柔道との縁をつなぐ受け皿のような役割も果たしてきた。

4月で14年目がスタートした。事務局の永田知恵さんは15周年に向け「細々とではありますが、これからも活動を続けていきたい」と話す。こうした女子柔道家による親睦団体はしかし、同倶楽部発足以前から存在していた。まだ女子の試合がなかった1940年から60年代ごろに講道館女子部に在籍していた有段者が中心となって「全日本女子柔道会」を結成。冒頭で紹介した福田さんも名誉会長として名を連ね、審判講習会を開くなどして競技化により新時代を迎えた女子柔道を支えたという。全日本チームの元監督らの暴力を告発して注目された女子柔道選手だが、新しい価値観を求めて行動を起こす気風は、今回突然変異的に発生したわけではないようだ。女性たちは横のつながりをフルに生かしていつの時代も手に手を取り合い、ガールズパワーを発揮してきたのだ。(スポーツライター・佐藤温夏)