2020年夏季五輪招致を目指す東京招致委員会が国を挙げた「オールジャパン態勢」の組織を固め、政財界やスポーツ界の重鎮が名を連ねた。その中で異彩を放つのはアイドルグループ「AKB48」の総合プロデューサーを務める作詞家の秋元康氏。評議会の委員でメンバー入りし、国内支持率アップの「仕掛け人」として期待される。

16年五輪招致で失敗の一因とされたのが56%と立候補都市で最低だった支持率の低さだ。陸上の為末大選手は「東京には多様な娯楽がある中で、五輪に関心のない人にどう魅力を伝えるかが重要になる」と語る。招致委幹部は「特に今回は全国規模で若者の関心を集めたい」と秋元氏の斬新なアイデアに期待を込め、招致関連イベントなどで人気絶頂の「AKB48」の参画も示唆した。

招致委員会の評議会は実働部隊となる理事会の諮問機関で、オールジャパン態勢をアピールする目玉の組織。新事務総長に就任した元フランス大使の小倉和夫氏は「正直言って、スポーツ界だけが一生懸命やっていても、世間から必ずしも見えてこないこともある」と招致活動を盛り上げるPRの問題を指摘した。五輪の五つの輪になぞらえ、政界、官界、経済界、スポーツ界、文化界の力を結集して世論に働き掛けていく意気込みだ。

旗印となる東日本大震災からの「復興五輪」は国内と国際社会で受け止め方に違いがある。「なぜ東京」「なぜ五輪」という開催理念もまだ明確に固まっていないのが現状だ。18年冬季五輪の開催都市に決まった韓国の平昌は92%の高支持率が強みだった。希代のヒットメーカーとして知られる秋元氏から緻密な計算に裏打ちされた独創的なアイデアが飛び出せば、五輪に関心が低いとされる若者世代への絶好のアピールとなりそうだ。

田村 崇仁(たむら・たかひと)1973年生まれ。群馬県出身。共同通信運動部で02年W杯まで主にサッカー担当。プロ野球担当を経て、05年から日本オリンピック委員会(JOC)や五輪招致、陸上競技などを担当。