初開催となった自動車のF1シリーズ、第17戦インド・グランプリ(GP)で、レッドブルがチームとして今季16度目のポールポジション(PP)を獲得し、従来のシーズン記録を更新した。

レッドブルは、前戦の韓国GPで2年連続の製造者部門での総合タイトル獲得を決めており、現在のF1において、最強のチームであることを、あらためて証明した。

これまでのシーズン記録である15度のPP獲得は、昨季までに3チームが合計で5度マークしている。1988、89年のマクラーレン、92、93年のウィリアムズ、そして、昨年のレッドブルだ。

いずれもその年を含む数シーズンに渡って製造者部門での総合タイトルを取っており、F1シーンで一時代を築いたチームと言える。レッドブルは参戦7年目にして早くもモータースポーツ史に名を刻んだことになる。残り2戦なので、18度まで記録を伸ばす可能性もあり、予定通りならば20戦が開催される来期以降のF1でも更新は容易ではないだろう。

わが世の春を謳歌しているように見えるレッドブルだが、マクラーレンとウィリアムズのその後を振り返ってみると、別の姿が現れてくる。レッドブルの勢いが既に衰え始めているかもしれないということだ。

マクラーレンは、88年から91年まで4シーズン連続でタイトルを獲得するが、PPは88、89年が15度、90年12度、91年10度と年を追うごとに減少。ウィリアムズにタイトルを奪われた92年はわずか1度になってしまう。タイトル奪還は、6年後の98年シーズンまで待たなければならなかった。

そのウィリアムズは、92年から94年まで3シーズン連続で王座に君臨したが、92、93年が15度だったのに対して、94年は6度と大幅に減少した。勢いに陰りが出たせいだろう。翌95年には12度のPPを記録したにもかかわらず、ミヒャエル・シューマッハー(ドイツ)を擁するベネトンに王座を明け渡してしまった。

その後、ウィリアムズは意地を見せ、96年に王座に返り咲き、97年には連覇を果たした。しかし、その後タイトル獲得はできないままでいる。平家物語ではないが、「盛者必衰の理」ありだ。

年間総合王者を連覇したセバスチャン・フェテル(ドイツ)とともに、最強の名をほしいままにしているレッドブル。その速さと強さの真価が問われるのは、実は来季以降なのかもしれない。(榎並秀嗣)