米国のインディカー・シリーズに参戦2年目の佐藤琢磨が、昨年とは見違えるような走りで奮闘している。日本人ドライバー初となるポールポジション(PP)を2度獲得し、8月7日決勝の第11戦では自己最高の4位に入った。日本人ドライバーのインディ初制覇がいつ達成されても不思議ではない状況が続いている。

最も初優勝に近づいたのは5月はじめ、サンパウロ(ブラジル)で行われた第4戦だった。1日の決勝は激しい雨のために、後半が2日に持ち越しとなった。中断時点で3番手を走行していた佐藤は、再開後、トップに躍り出て首位をキープ。優勝をほぼ手中にしていたが、ピットインのタイミングを誤って最終的に8位に終わった。

7月15日、一時帰国していた佐藤が東京・青山のホンダ本社で記者会見をした。6月24日の第8戦(アイオワ州)の予選でPPを獲得してから日が浅く、自信のコメントが出てくると思ったら、そうでもなかった。「初優勝の前にまずは表彰台。まだ最高が5位の自分に腹立たしさもある」と語った。この後、4位を記録して自己最高を更新しているのだから、前進は続いている。

昨年と違うパフォーマンスを見せている理由については、コースに慣れたことと今季からKVレーシングの同僚に経験豊富なトニー・カナーンが加わったことが大きいと話していた。

インディカー・シリーズは楕円形のコースをぐるぐる回るオーバルのほか、普通のサーキット、市街地コースでも行われる。佐藤はオーバルと特設コース、どちらでもPPを獲得している。F1とは違い、インディは全マシンがホンダのエンジンで闘っているため、意外性に富んでいる。9月18日のインディジャパン(栃木県ツインリンクもてぎ)を含めて今季は残り5戦。そのどこかでF1で3位の実績に続く佐藤の快挙が達成されるだろうか。(榎本一生)