男子ゴルフの石川遼の成績が、このところ乱高下している。日本で続けて予選落ちし、その後の全米オープン選手権では30位。続く国内大会で優勝を争ったかと思えば、その次の全英オープン選手権では147位と散々な順位で予選落ちに終わった。

その都度、いろいろな感想を漏らすのだが、「ドライバーは悪くない」という自己評価は一貫している。不振の全英オープンでも「やれた部分」に挙げた。確かに、大きく曲がる場面は数年前に比べて明らかに減っている。飛距離を捨ててコントロール重視で打っているわけではない。プロになったころからこだわり、練習に最も熱が入るのがこのクラブ。「練習してきたことが出せている」という言葉は誇らしげだ。

ドライバーの特徴を「いつも振り切れる点」と言う。ほかのクラブより球は曲がりやすいが、飛距離の微調整は不要。トレードマークでもあるフルスイングを、このクラブで育んできた。それが、かなりの水準に達した自負がある。

一方で、アイアンについての反省の弁も目立つ。グリーンを狙う距離感こそが命となるが「練習場で打っている時は5ヤードぐらいのばらつきは気にならないが、コースに出ると1、2ヤードでも気になる」と打ち明ける。飛距離を合わせようと考え過ぎると、思い切りの良さがスイングから消えてしまう。全米オープンで圧勝した、同年代のロリー・マキロイ(英国)のプレーには「理想的なショットメーカー。どんなショットでも振り切っているところがすごい」とうなった。

「アイアンの練習をしていないわけではないが、ドライバーに比べると少ない」と認める。そして、全英オープン後は珍しく「多少(練習の)ウェートのかけ具合を変えるかもしれない。ミドルアイアンを1本決めて、徹底的に打つとか…」と付け加えた。これまで、徹底してドライバーにこだわってきた石川遼が、自身の成長ぶりと課題を分析し、次の焦点をアイアンショットに絞りつつあるようだ。

しっかり振り切りながら、距離の微調整に対応できる理想のスイングを求める。「とにかく球数を打っていけば、(距離の)ばらつきも減っていくと思う」。迷いがなくなった時の強さや集中力は実証済みだ。成績が不安定という印象を与えながらも、7月20日現在、日本での賞金ランキングは海外分を含めるとトップ。ここから、アイアンに磨きがかかったらどうなるのか。シーズン後半戦を楽しみにしている。

山田亮平(やまだ・りょうへい)1998年共同通信入社。大阪、名古屋支社で近鉄や中日などプロ野球を中心に取材。2005年から柔道、サッカーなどを担当し2007年からゴルフ、08年からスケートも担当。1974年生まれ。