10日に決勝を行った自動車のF1シリーズ第9戦、英国グランプリ(GP)は、フェルナンド・アロンソ(スペイン、フェラーリ)が今季初勝利を果たした。通算27勝目は、3度の年間総合王者を獲得した名ドライバー、ジャッキー・スチュワート(英国)と並ぶ歴代5位タイだ。

スペインの英雄は昨シーズンも5勝を挙げ、25勝のジム・クラーク(英国)やニキ・ラウダ(オーストリア)、24勝のファン・マヌエル・ファンジオ(アルゼンチン)、23勝のネルソン・ピケ(ブラジル)といった、往年の名ドライバーを次々と抜き去っている。アロンソは7月29日の誕生日でようやく30歳。まだまだ現役を続けるに違いないが、すでにF1の歴史に名を刻む伝説のドライバーの仲間入りを果たしたと言っていいだろう。

今後については、断トツのミヒャエル・シューマッハー(ドイツ、メルセデス)が持つ91勝はともかく、2位アラン・プロスト(フランス)の51勝や3位アイルトン・セナ(ブラジル)の41勝を更新することは期待できる。31勝で4位のナイジェル・マンセル(英国)には今季中に並ぶだけでなく、追い抜くことも可能だ。

現役で10勝以上しているのは、アロンソとシューマッハーを含め7人。セバスチャン・フェテル(ドイツ、レッドブル・ルノー)が16勝、ルイス・ハミルトン(英国、マクラーレン・メルセデス)が15勝。そして、ルーベンス・バリケロ(ウィリアムズ・コスワース)とフェリペ・マッサ(フェラーリ)のブラジル勢が11勝、ジェンソン・バトン(英国、マクラーレン・メルセデス)が10勝で続いている。

中でも、驚異的なペースで勝ち星を伸ばしているのがフェテルだ。昨季、史上最年少で年間総合王者に輝いた24歳の若武者は昨季5勝、今季は9戦で6勝を挙げる圧倒的な強さを見せている。

上位6人が24歳だった時の勝利数と比較すると、そのすごさはより鮮明になる。アロンソ7勝、シューマッハー2勝だが、プロスト、セナ、マンセル、スチュワートは未勝利。ちなみに、マンセルが初勝利したのは何と32歳の時だった。

フェテルは、初ポイント、初ポールポジション、初優勝、年間総合王者で史上最年少記録を塗り替えてきた。来季以降、年間20戦の実施が確実視されることに加え、現在のシューマッハーに優勝する可能性が感じられないことを考えると、フェテルが史上初の100勝を挙げることは十分にありえる。(榎並秀嗣)