自動車のF1シリーズ第3戦、中国グランプリ(GP)はルイス・ハミルトン(英国、マクラーレン・メルセデス)が今季初勝利を挙げた。開幕から2戦連続でポールトゥウインを飾っていたセバスチャン・フェテル(ドイツ、レッドブル・ルノー)が今回も予選トップだったが、決勝は終盤でハミルトンが逆転。今シーズンはフェテルがこのまま勝ち続けるのではないか、というムードを消した。

タイヤ交換2回での完走を目指したフェテル、一方のハミルトンは3回のピットストップで勝利をつかんだ。

56周のレースは、フェテルが14周で最初のピットに入った。その1周後にハミルトンは1度目のピットに入ると、25周で2度目のタイヤ交換。31周で2度目のタイヤ交換を済ませたライバルに対し、ハミルトンは38周で3度目のピットイン。摩耗の少ないタイヤでの逆転劇につなげた。

開幕戦のオーストラリアGPでもタイヤ交換に関して興味深いことがあった。ザウバー・フェラーリの小林可夢偉とセルヒオ・ペレス(メキシコ)は車体の規定違反で失格になってしまったが、2人はタイヤ交換で対照的な戦略だった。

小林のタイヤ交換は2度。しかし、ペレスのピットインは23周での1度だけだった。このレースがF1デビュー戦だったペレスは小林より一つ上のポジションである7位でゴールし、非凡なところを見せている。

1997年からブリヂストンが全チームにタイヤを供給していたが、今季からイタリアのピレリ社がタイヤ供給社となった。中国GPはこの影響が表れた結果と言うこともできる。ドライバーの腕、マシンの戦闘力だけでなく、タイヤ交換のタイミングをめぐる駆け引きにも注目が集まる2011年となりそうだ。(榎本一生)