2月19日、米ラスベガスで軽量級の夢のカードが実現する。WBC&WBOバンタム級チャンピオン、フェルナンド・モンティエル(メキシコ)にノニト・ドネア(フィリピン)が挑む一戦は掛け値なしの好カードだ。

モンティエルの強さは昨年4月、長谷川穂積(真正)を4回TKOに下した試合が如実に証明している。バンタム級最強と呼ばれていた長谷川と積極的に打ち合い、4回、一瞬のチャンスをものにして大きな勝利を手にした。長谷川が「コンクリートのように硬い」と表現したパワーはけた違いで、44勝(34KO)2敗2分けという高いKO率を誇る。

昨年7月には実力者ラファエル・コンセプシオン(パナマ)をスタートから圧倒、3回KO勝ちを収めている。まさに脂が乗っており、「ドネアがようやく対戦をOKしてくれた」と余裕たっぷりにゴングを待っているようだ。

対するドネアも実績では負けていない。幼いころからアマチュアボクシングに親しみ、米カリフォルニア州をホームリングにたくましく成長してきた。2001年にデビュー後、フライ級としては破格の強打で世界戦線に仲間入り。07年、IBFフライ級タイトルを獲得した後、09年にはWBAスーパーフライ級の暫定王座も獲得した。今回勝てば3階級制覇を達成する。モンティエル同様、絶対に負けられない試合といえるだろう。

戦績は25勝(17KO)1敗。好機に見せる左右連打は鋭く、ほれぼれするような切れ味がある。フィリピンといえば、今や「アジアの英雄」の枠を超えたスーパースター、マニー・パッキャオの出身地。「パッキャオに追い付き、追い越せ」を合言葉に練習に励んでいる。ドネアは決戦を前に「少しのミスも許されない。ただ、モンティエルは私のようなスタイルが苦手だ」と暗に勝利宣言をしている。

果たして、両者の闘いはどのような展開になるのだろうか。お互いに「一打必倒」のパンチの持ち主だけに、KOのスリルに満ちた打撃戦は必至だろう。予想は「全くの互角」と見る向きが多く、一瞬たりとも目が離せない。

仕掛けるのはモンティエルの方か。左リードを細かく出しながら、左フック、右ストレートを狙ってくるだろう。ドネアは柔軟に相手の攻撃をかわしながら追い詰めていく作戦か。バンタム級はこれまでにも歴史的な対決が演じられてきた。今回の試合もそれらに匹敵する名勝負の予感がする。(津江章二)