修斗よ、おまえもか-。日本における総合格闘技の老舗、修斗が金をめぐるトラブルで揺れている。事の発端は昨年末、かつて修斗四天王と言われた一人の朝日昇氏(東京イエローマンズ代表)が、自身のブログで日本修斗協会の金の流れの不透明性を糾弾し、実力行使に出たこと。

同協会は12月28日、公式ホームページ上で見解を発表し、執行部の責任を認めるとともに、非難を浴びた役員を解任。今後、法務の専門家の指導を受け、健全化を目指すことを宣言した。しかし、まだ辞任に追い込まれる役員も出てくるとの情報もあり、今後、どう進むか分からない状況だ。

プロレスやプロ格闘技のトラブルというのは、金にまつわることがほとんどだと言っていい。日本プロレスからのアントニオ猪木、ジャイアント馬場の脱退は同団体幹部のどんぶり勘定が原因だったようだし、新日本プロレスのいくつかのクーデターや離脱も大半は金が原因。UWFも選手が金の流れに疑問を持ったことから崩壊の道を歩んだというのが定説だ。

アマチュアと違って利益追求の世界。プロ野球やJリーグのような統括団体があるわけではないので、やむをえないことかもしれない。しかし修斗は競技性を重視し、金もうけより競技の普及と発展を目指す姿勢が感じられただけに、今回の出来事は残念でならない。

日本修斗協会というのは任意団体であり、法人格ではないという。それがゆえに会計がずさんだったという指摘もあるが、それは当たっていまい。

日本オリンピック委員会(JOC)に加盟している競技団体でも2000年秋に10を超える団体で助成金の不正使用などが発覚した。関係者が処分を受けるとともに、JOC幹部の辞任も引き起こしている。以後、金の運用は厳格になされることになり、以前のようなやり方は通らないようになった。

組織が大きくなるほど、透明性が不可欠になってくる。今回の出来事は修斗の健全化のためにいい機会だったのではないか。膿を出し切り、修斗という競技をしっかり育ててほしい。(格闘技ライター・樋口郁夫)