日本ボクシング界は昨年末、恒例の世界戦ラッシュに沸いたが、中でも存在感を示した一人が世界ボクシング協会(WBA)スーパーフェザー級のスーパー王者、内山高志(ワタナベ)である。世界6位のオリバー・フローレス(ニカラグア)を3回TKOで下し、11度目の連続防衛に成功した。

これで国内単独2位に浮上し、具志堅用高(協栄)が持つ史上1位の13度連続防衛をついに射程に捕らえた。

「KOダイナマイト」と呼ばれるパワーは強烈無比。今年こそ本人が熱望する米国進出の可能性が膨らんできた。

それにしてもフローレス戦には驚いた。3回、相手のガードが空いた瞬間を逃さず、左ボディーブローをねじ込んだ。フローレスは苦悶の表情で沈み、そのままカウントアウト。衝撃の一撃だった。「コブシが埋まったような気がした。手応えも十分」と会心のKO劇を振り返った。

これで24勝(20KO)1分け。36歳の年齢を感じさせない迫力には恐れ入る。8割のKO率も信じられないような数字だ。

そして、陣営は念願の米国進出に動き出した。対戦相手の本命は前WBAフェザー級王者ニコラス・ウォルターズ(ジャマイカ)。26勝(21KO)1分けと無敗を続ける強豪で、5階級制覇のスーパースター、ノニト・ドネア(フィリピン)をKOした実績を誇る。

スリムなハードパンチャーで、内山にとってこれまでで最大の難敵といえるだろう。フェザー級では体重維持が難しく、一階級上に焦点を絞ってきた。

しかし、内山は喜んで受けて立つ構えだ。「勝つ自信はある。ぜひ実現してほしい」と最終交渉を見守っている。

米国進出といえば、日本人ボクサーなら誰もが夢見る舞台といえるだろう。最近では西岡利晃、三浦隆司の帝拳勢がリングに立ち、本場の関係者、ファンに強烈な印象を与えている。

実現した場合、「内山ピンチ」という声もあるが、私は自信を持って「内山KO勝ち」を予想する。

ウォルターズは確かにスピードもあるが、時折ガードが甘くなるのが欠点。その隙を突き、内山の必殺の一打が決まるような気がする。

ともに不敗のスラッガー。KO必至のスリリングな攻防が期待できる。「夢の対決」が今から楽しみで仕方がない。(津江章二)