世界ボクシング協会(WBA)女子スーパーフライ級チャンピオン、藤岡奈穂子(竹原慎二&畑山隆則)が10月19日、日本女子初の3階級制覇を懸け、兪禧晶(韓国)と世界ボクシング機構(WBO)バンタム級王座決定戦に臨む。

女子ボクシング界の第一人者は40歳を超えたが、リングへの情熱は全く変わらない。果たして聖地・後楽園ホールで新たな歴史を刻むことができるか。

藤岡はアマチュアで実績を残した後、2009年にプロデビュー。攻防のバランスが取れた力強いファイトで急成長。11年5月、世界ボクシング評議会(WBC)ミニフライ級王座を奪い、13年11月にWBAスーパーフライ級王座を獲得した。2階級制覇に成功すると、さらなる夢が沸いてきた。

初の3階級制覇へ。安定感十分の実力者だけに周囲の期待は膨らみ、昨年11月、WBAフライ級王座に挑んだ。

しかし、王者スージー・ケンティキアン(ドイツ)に0―3の判定で敗れ、敵地で悔し涙を流した。これがプロ初黒星。

しかし、「KOしないと勝てないと思っていた。完全燃焼できたとは言えない」と復帰に意欲を見せていた。今年3月、メキシコで再起戦を行い、小差の判定勝ち。戦績を13勝(6KO)1敗に伸ばし、復活を強烈にアピール。今回の2度目のチャンスをものにした。

相手の兪は15勝(6KO)2敗の高勝率を残しており、好試合が予想されている。40歳という年齢は心配されるが、藤岡は「史上初の快挙達成に燃えています。もし勝てば、4階級制覇も狙ってみたいですね」と意気盛ん。

開始ゴングとともに藤岡は積極的に前に出るのではないか。チャンスに見せる左右コンビネーションにはKOの威力を秘めており、スリリングな展開も期待できそうだ。

08年、日本ボクシングコミッション(JBC)は女子興行を承認したが、人気は低迷を続けている。それだけにエース藤岡に起爆剤としての期待も懸かっている。

藤岡の持ち味はアグレッシブな攻撃力だ。鬼気迫る表情で闘う姿は迫力がある。今回はホームリングでもあり、藤岡に負けは許されない。集大成のファイトが楽しみだ。(津江章二)