バドミントンの日本代表が波に乗っている。8月の世界選手権では史上最多のメダル3個(いずれも銅)を獲得。花形種目の男子シングルスで日本に史上初のメダルをもたらしたのは20歳の桃田賢斗(NTT東日本)。男子ダブルスのエース早川賢一、遠藤大由組(日本ユニシス)も初の表彰台に上った。女子ダブルス第1シードの高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)は早々と敗退したが、日本勢3番手だった新鋭の福万尚子、与猶くるみ(再春館製薬所)がしっかりとメダルを確保。一般的には最も知名度が高いであろう女子シングルスの山口茜(福井・勝山高)が、同時期に開催されたインターハイを優先して欠場したにもかかわらず、男女各種目で層の厚さを見せつけてリオデジャネイロ五輪の前哨戦を終えた。

さらに9月に行われたスーパーシリーズのヨネックス・オープン・ジャパンでは、世界選手権でメダルなしに終わった女子シングルス勢が躍進し、決勝の切符を日本が独占した。2012年世界ジュニア女王の奥原希望(日本ユニシス)が13、14年と世界ジュニアを連覇した山口の挑戦をはねのけた。昨年の終盤まで約2年、度重なるけがと戦ってきた奥原は「山口茜ちゃんと2人で日本を引っ張っていきたい」と頼もしい口ぶりだった。

大学までバドミントン部にいた私は、やはりこの競技への思い入れが深い。同世代のオグシオ(小椋久美子、潮田玲子組)で世間のイメージが変わりはじめ、08年北京五輪でのスエマエ(末綱聡子、前田美順組)の躍進。12年ロンドン五輪でのフジカキ(藤井瑞希、垣岩令佳組)の銀メダル獲得という流れは記者として立ち会えず、テレビ観戦をしてから先輩の書いた記事を読んでいた。バドミントンの担当になったのは昨季からで、このスポーツがいかに激しく、面白く、選手が魅力にあふれているかを伝えたいと意気込んでいる。

空回りしがちな私とは違い、選手たちは昨年から今年にかけても好成績を連発。記事を書く機会が多いだけでなく、同業者からも競技の見方や用語について質問を受けることも多い。バドミントンの競技自体や選手に注目が集まっているのだなと肌で感じている。

一方で経験者からすれば自明な専門用語も、一歩外に出れば分かりにくいものだ。例えば「ドライブ」。バドミントンではネットぎりぎりの高さで水平に高速で打ち合うことだが、サッカーや卓球用語の回転をかけて急激に曲がり落ちるイメージの方が強い。試合の中で「ドライブ」が鍵を握ったのでそれを表現したくても、そもそも用語が浸透していないとひと手間多くかかる。その意味では、メジャースポーツのテニスと用語が共通する「ロブ」「スマッシュ」「ドロップ」などは、ほぼ同義で使えるので非常に助かる。全て自由に使える専門誌の記者はいいなあと思うが、自らの表現力をもっと磨かないといけないなと反省するいい機会にもなっている。

選手やコーチ陣が競技力向上で頑張っているのだから、それを伝える私は、バドミントンを詳しくは知らない人たちが一読しただけで彼らの魅力に気づける記事を書けるように精進しよう。そう小さな対抗心を燃やしている。

森安楽人(もりやす・らくと)2008年共同通信社入社。本社運動部から大阪社会部、同運動部で勤務。13年末に本社に戻り、バドミントン、ゴルフ、レスリング、テニスなどをカバー。大阪府豊中市出身。