2位までが来年のリオデジャネイロ五輪出場権を獲得するバレーボールのワールドカップ(W杯)女子大会が9月6日まで行われ、日本は5位となり、五輪出場決定は来年の世界最終予選兼アジア予選へ持ち越しとなった。2012年ロンドン五輪で28年ぶりとなる銅メダルを獲得した日本女子は、7位に終わった昨年の世界選手権、そして今回のW杯と相次いで表彰台を逃している。現在の世界の勢力図はここ3年で変化が見られる。

W杯にはブラジル、イタリアの強豪2カ国が参加しなかった。ブラジルは開催国として五輪出場権を持っており、イタリアは欧州の出場枠をロシア、セルビアから奪えなかったためだ。悔しい話だが、ロンドン五輪後の国際大会で日本は7位前後が定位置となっている。日本より上位にくる顔触れを見ると、昨年の世界選手権を制した米国、W杯優勝の中国、ブラジルの3強が君臨。ともに複数の強力アタッカーを擁するロシア、セルビアが肉薄し、さらにイタリアが続く。

ロンドン五輪後は各国とも世代交代の波が訪れた。中国のW杯優勝メンバー14人の中で五輪経験者は3人。米国も4人。日本のライバルは次々に有望な大型若手が出てきている。中国は13年に世界ジュニア選手権で最優秀選手に選ばれた195センチの朱☆(女ヘンに亭)が20歳にしてエースと呼ぶにふさわしい活躍を見せている。米国も今年代表デビューを果たした193センチ、22歳のロウがW杯の前哨戦、ワールドグランプリで最優秀選手に輝き、攻撃で不可欠の存在となった。

日本もアタッカーの古賀紗理那(NEC)、ミドルブロッカーで1992年バルセロナ五輪代表の秀之さんを父に持つ大竹里歩(デンソー)、島村春世(NEC)と20歳前後の新たな戦力が台頭してきている。しかし、悩みの種は攻撃を司るセッターと、守備を本職とするリベロだ。セッター竹下佳江、リベロ佐野優子という絶対的な存在の後継者をまだ見つけられずにいる。

W杯でのセッターは宮下遥(岡山シーガルズ)と古藤千鶴(久光製薬)を併用。今季は古藤が先発を務め、途中交代でコートに立つことが多かった宮下は大会前に「チームが悪くなったり、一方的な展開になった時に入って、少しでも間をつくったりすることが、今度のW杯での私の役割だと思っている」と話していた。ところが3戦目のキューバ戦で宮下が先発して活躍すると、その後のヤマ場となったセルビア戦、米国戦ではいずれも宮下を先発で起用。五輪切符の懸かる大会で、正セッターを固定できなかった。

リベロは相手がサーブの場合は座安琴希(久光製薬)、日本がサーブの場合は佐藤澪(トヨタ車体)と完全分業制を敷いた。国際バレーボール連盟によると、来年のリオデジャネイロ五輪での登録メンバーは前回と同じ12人。W杯からは2減で、リベロは1人となる見込みだ。

五輪まで残り1年を切り、攻守の要で救世主の出現を望むのに十分な時間は残っていない。今回の敗因を分析し、現有戦力の底上げを果たすことが現実的な解決策だろう。

大坪 雅博(おおつぼ・まさひろ)1983年生まれ。東京都出身。2009年共同通信入社、名古屋運動部で10年のJ1名古屋初優勝を取材し、11年からはプロ野球の中日、フィギュアスケートなどを担当。14年5月から本社運動部で、バレーボールやアマ野球を担当。