世界ボクシング協会(WBA)スーパーフライ級2位の亀田興毅が10月16日、米シカゴで同級チャンピオン河野公平(ワタナベ)に挑む。

亀田には日本人初の4階級制覇という快挙が懸かっているが、このタイトル戦へのファンの関心度は驚くほど低い。なぜか。それには二つの大きな理由があると推測できる。

まず日本人同士の世界戦が海外で行われることを素朴な疑問に挙げたい。本来なら国内で開催されるのが当たり前。しかし、亀田側が2013年12月の世界戦混乱問題により、日本ボクシングコミッション(JBC)から事実上の国外追放処分を受けており、依然として日本では試合ができない。

処分が決まってから約2年。両者に歩み寄る気配は感じられず、JBCは現在、亀田3兄弟の存在さえ公認していない。こういう“異常事態"が解消される見通しは全く立っていない。

もう一つ。それは亀田の異常とも思える過激な挑発行動だ。河野は8月31日、今回の防衛戦をワタナベジムで発表したが、会見の終了間際に会見場に乱入、「今のボクシングではオレには勝てへん。ちゃんと練習しといてください」と挑発したのだ。さすがに渡辺会長が「ここはワタナベジムだ」と言って追い返したが、あまりにも常識外れの言動には情けなくて言葉が出てこない。

亀田サイドはデビュー当初から「プロだから試合を盛り上げるためにもパフォーマンスは必要」と明言し、マスコミをにぎわせた。確かにパフォーマンスは必要かもしれない。しかし、それにも「限度」がある。

振り返れば、初めて世界挑戦が決まったときの会見場で食べ物を口にするなど、見ていて不愉快になったファンも多いのではないか。プロだから何でもしていいわけではない。節度ある行動を切に要望したい。

興毅が初の世界タイトルを目指していたころ、協栄ジムでインタビューしたことがある。「目標とするボクサーは?」と質問すると、「大場政夫」という返事が返ってきた。フライ級の歴史を飾る名王者を語るときの目は輝いていた。

もう一度初心を思い出し、シカゴのリングに立ってほしい。河野にも当然、プライドと意地がある。熱戦を期待している。(津江章二)