日本ボクシング界のエース的存在である世界ボクシング協会(WBA)スーパーフェザー級のスーパー王者、内山高志(ワタナベ)が5月6日、東京・大田区総合体育館で10度目の防衛戦に臨む。

勝てば日本歴代2位タイとなる防衛回数になるが、今回の相手、東洋太平洋同級王者ジョムトーン・チューワッタナ(タイ)は並の強豪ではない。内山の苦戦を予想する声も多く、最大の試練を迎えたといえるだろう。

内山は2010年1月、TKO勝ちで王座を獲得して以来、既に9度の防衛に成功。「ノックアウト・ダイナマイト」の異名を持つハードパンチでKOの山を築いてきた。

ここまで22勝(18KO)1分け。まだ負けを知らず、うなるような左右強打の破壊力は抜群。特にボディーブローに磨きをかけており、安定感もある。

2月にはWBAから実績を評価され、「スーパーチャンピオン」に認定されたほど。本人も「年内には外国、例えばラスベガスなどで防衛戦をやりたい」と力強く抱負を口にしているが、その前に顔を合わせる挑戦者が鍛え上げられた実力者なのだ。

ジョムトーンはムエタイの元世界王者で、193勝36敗4分けという驚異的な戦績を誇っていた。

10年3月、国際式ボクシングにデビュー。12年5月、TKO勝ちで東洋太平洋王座を奪取。15年1月にはホープ金子大樹(横浜光)を文句なしの判定で破り、4度目の防衛に成功した。

金子の強打を巧みに外し、カウンターを随所でヒット。巧妙な試合運びにさらに評価は高まった。テクニックにも秀でたものがあり、国際式の戦績は9戦全勝4KO。欠点が少ないのも強みだ。

試合は開始ゴングから緊張感に満ちた展開になりそうだ。両者とも相手のパンチを警戒しながらラウンドが進み、中盤から激しい攻防が予想される。

内山はボディー攻撃でスタミナを奪い、得意の左右フックを顔面に決めたい。クリーンヒットすれば一発で終わっても何の不思議もない。それほどの迫力がある。

しかし、ジョムトーンは冷静に対応するのではないか。そして、少しずつプレッシャーをかけ、自分のペースに引きずり込むのがうまい。

内山は「簡単に勝てる相手ではないが、必ずタイトルは守りたい」と意気込んでいる。ハイレベルの攻防は必至だ。(津江章二)