「長嶋茂雄3」、「王貞治1」、「松井秀喜55」。この数字は何かと問われたら、日本人の大部分は背番号と答えられるだろう。数字は時として、ファンにとって選手の顔が浮かぶアイデンティティーとなる。日本に限らず、米メジャーリーグでは「34」と言えば多くのファンがノーラン・ライアンの名前を挙げるだろうし、バスケットボールファンに「23」と聞けばマイケル・ジョーダンと答えるだろう。

そして、F1でも2014年シーズンから固定ナンバーの導入が決定した。ドライバーは2から99の間で好きな番号を申請。複数のドライバーが同じ番号を希望した場合は前年度の成績が良かったドライバーに優先権がある。

この番号はF1ドライバーである間、固定して使用する。前年のワールドチャンピオンはカーナンバー1をつけることが義務づけられて、チャンピオンの固定ナンバーは限定的に欠番となる。

実はモータースポーツ界でも固定ナンバーが浸透しているカテゴリーはいつくかある。例えばバイクレース。「34」はケビン・シュワンツ、「74」は加藤大治郎、そして「46」はバレンティーノ・ロッシなど。四輪の世界では、米国で最も人気が高いNASCARが有名で「43」はキングと呼ばれたリチャード・ペティ、「3」はデール・アーンハートなどだ。

F1ではドライバーごとの固定ナンバーではなかったが、「27」をつけていたジル・ビルヌーブや、赤く塗った「5」でレッドファイブと呼ばれたナイジェル・マンセルなどはナンバーがアイデンティティーとなっていた例だろう。

そして、今回の決定を受け、すでにニコ・ロズベルクが国際自動車連盟(FIA)に希望番号を申請したことを明かし、「6」、「5」、「9」の希望順で申し込んだという。

「6」は父親のケケ・ロズベルクが1982年にワールドチャンピオンを獲得した時につけていたナンバーだ。また、「27」を誰が申請するのか、ということも話題になっている。

14年のF1シーズンでは今回の固定ナンバー以外にも、最終戦の獲得ポイントが2倍となり、ペナルティーシステムが導入されるなど、さまざまな変更が決定した。新V6ターボ同様、どんなレースが繰り広げられるのか、いろいろと想像してみるのも冬の楽しみかもしれない。(モータージャーナリスト・田口浩次)