12月3日、大阪市で行われた世界ボクシング協会(WBA)と国際ボクシング連盟(IBF)のスーパーフライ級王座統一戦は、多くの課題を残した。

前日計量でWBA王者リボリオ・ソリス(ベネズエラ)が体重超過で王座をはく奪された。その際のルールミーティングでIBF王者の亀田大毅(亀田)が負けた場合、「王座は空位になる」と発表しながら、試合後にIBFの立会人が「勝敗に関係なく亀田大の王座は保持される」と見解を翻した。ここからお粗末なドタバタ劇が始まる。

まず、指摘したいのがIBFの迷走だ。立会人は「私の勘違い」と弁解したが、公式なルールミーティングの約束は「勘違い」で済まされる問題ではない。

長い間、世界戦を取材してきたが、そういう前例は経験がない。発言を訂正しなかったのが、興行面の影響だとすれば論外といえるだろう。立会人の不可解な言動は、お粗末の一言に尽きる。

あらためてIBFのルールを読んでみた。確かに「相手が体重超過で失格の場合、王者は負けても王座のまま」という規約がある。ルールはルールかもしれないが、よく考えて見るとこれはおかしい。ボクシングというスポーツは、勝利を求め、お互いに体力のすべてを使い果たし、決着をつける究極の格闘技である。だからこそドラマが生まれ、ファンの心をつかんできた。その大前提が崩れればボクシングの意義がなくなる。

日本は今年4月、世界ボクシング機構(WBO)とともにIBFに加盟し、新たな時代を迎えた。従来のWBA、世界ボクシング評議会(WBC)と合わせ、世界主要4団体の世界戦が頻繁に行われるようになった。

当然のように王者も増え、それに伴い王座統一の機運も高まっている。今回のタイトルマッチについて日本ボクシングコミッション(JBC)は「IBFが王座を認めるなら、JBCは従うしかない」とも述べている。

しかし、それでいいのだろうか。4団体に増えたからこそ、日本で行われる世界戦はJBCが主導権を握り、JBCルールを基本に進める方向を考える時期に来ているような気がする。

取材歴30年以上の某ベテラン記者は「ここはJBCの毅然たる態度を期待したい。ぜひJBC主導のタイトルマッチが実現してほしい」と語っている。災い転じて福となす。世界戦の権威を守るためにもJBCの頑張りどころだ。(津江章二)