日本ボクシング界はブーム到来の予感が漂っているが、11月13日、後楽園ホールで女子の方でも待望の「夢の対決」が実現する。世界ボクシング協会(WBA)女子スーパーフライ級チャンピオン山口直子(白井・具志堅スポーツ)に前世界ボクシング評議会(WBC)女子ミニフライ級王者の藤岡奈穂子(竹原慎二&畑山隆則)が挑む一戦で、実力者同士の白熱の攻防は必至と見られている。

藤岡は今回の挑戦に合わせ、9月24日付でタイトルを返上。2階級制覇に絞ってきた。38歳だが、闘志は衰えず「スピードを生かし、勝利をつかみたい」と意気込む。2009年9月にプロデビュー以来、10連勝(6KO)と無敗を続けており、多彩なコンビネーションが最大の武器。チャンス時に見せるラッシュにも無駄がなく、それがKO率6割につながっている。影響を受けたのが元世界王者で、トリッキーな動きで知られたナジーム・ハメド(英国)だという。「見に来る人に楽しんでもらいたい」とプロ意識もなかなかのもの。強打とテクニックを併せ持つボクサーファイターである。

一方、受けて立つ格好の山口も破格の強打の持ち主だ。戦績が15勝(13KO)2敗で、35歳とは思えない若さあふれるパワフルさが持ち味。KO率は楽に7割を超えているが、女子の世界では考えられないような数字といえるだろう。12年7月、天海ツナミ(アルファ)から世界王座を奪い、2度の防衛に成功している。右のファイターで、たたきつけるような左右フックは迫力満点。「しっかりと勝ちたい。今からゴングが待ち遠しい」と対戦を楽しみにしている。

試合はスタートからスリリングな打撃戦になるのではないか。お互いの強打を意識しながら、一瞬のミスも許されない高度な展開になりそうだ。予想としては3階級上で実績がある山口有利が一般的だが、藤岡の底力も侮れない。山口は時折ガードが甘くなる弱点があり、藤岡がピンポイントで強烈なブローを決めれば面白くなる。山口はスタミナには絶対的な自信を持っており、試合が後半にもつれ込めば3度目の防衛が近づいてくるだろう。いずれにしろ、日本女子ボクシングの歴史を塗り替えるような好勝負を期待したい。(津江章二)