16万3000人の観客を動員したモトGP第6戦カタルーニャGPを終えた翌日、6月17日の月曜日に、カタルーニャサーキットでは事後テストが行われた。今後のレースに向けてセットアップの方向性等を精力的に試す各チームに混じり、現在活動休止中のスズキがこのテストに参加。ひときわ大きな注目を集めた。

スズキファクトリーチームは、2011年の最終戦を終えたバレンシアサーキットでモトGP活動の休止を発表し、今後の動向が注視されていた。2012年以降の参戦は見合わせることになったものの、活動再開に向けてテストチームは地道なマシン開発を継続し、今年に入ってテストチームのマネージャーとして元ヤマハ・ファクトリー・レーシングのマネージャーを長年務めたダビデ・ブリビオを起用。イタリアのミラノにワークショップを構える方向で参戦再開に向けた活動を開始した。また、スズキのファクトリーチームが復帰することは、ライダーのシートが二人分増えることも意味するため、移籍や昇格を狙う選手たちの水面下での動向も、欧州メディアの話題になっていた。

欧州での本格的テスト再開に先立って、今年5月23日と24日には栃木県ツインリンクもてぎでテスト走行を実施。モトGPの既存チームから参戦をしながらスズキと開発ライダー契約を交わしたランディ・ド・プニエがマシンを走らせた。そして以前からの計画通り、カタルーニャGP翌日の事後テストに参加を果たし、ヨーロッパでの走行お披露目を行った。

大勢のカメラマンたちがスズキのピットボックス前に集まるなか、日本人テストライダーの青木宣篤がまず数周の確認走行を行い、その後、ド・プニエがマシンを引き継いでテスト走行を継続した。

ただし、この日の走行に先立ち、当初は2014年の復帰を目指すといわれていたスズキのレース活動再開は、2015年を目処とすることも発表された。そのプレスリリースで「今後は、各国のサーキットで走行テストを行いながら技術開発と熟成を図り、2015年より参戦する計画である。スズキは、MotoGPのレース活動を通して得られる技術を量産車開発に還元し、より魅力的な商品の開発を進めていく」と記されている通り、 テストチームはカタルーニャサーキットのテストを終えると同国内陸部のアラゴンサーキットへ移動し、水曜と木曜に引き続き同地でテストを行う。チーム関係者によると、夏や秋に実施されるモトGPレースの事後テストにも参加を予定しているが、復帰計画が2015年へ一年先送りになったことに伴い、最終戦バレンシアGP終了後のテストに参加するかどうかは、現状では未定だという。

国内外の多くのファンやレース関係者は、スズキの参戦復帰を待っている。その期待を実現すべく、今後さらに積極的な姿勢で開発が継続されてゆくことを望みたい。(モータージャーナリスト・西村章)