本物の強打がまたも爆発―。世界ボクシング協会(WBA)スーパーフェザー級チャンピオンの内山高志(ワタナベ)が6日、5回KO勝ちで7度目の防衛に成功した。戦績はこれで21戦20勝(17KO)1分けとなり、無敗を守り、KO率も驚異の8割を超えた。日本が生んだボクサーの中でも間違いなく歴代最強レベルのパワーと表現しても決して大げさではないだろう。

圧巻のKO防衛だった。4回まで挑戦者ハイデル・パーラ(ベネズエラ)のジャブに悩まされ、クリーンヒットがなかなか決まらない。しかし、5回、一瞬のスキを突き、左ボディーブローを突き刺すと、パーラはキャンバス上で悶絶。恐ろしいまでのパワーを誇示して試合は終わった。自慢の強打はますます磨きがかかってきたようだ。

あらためて考えたことがある。「内山は日本の歴代ボクサーの中で最強レベルのハードパンチャーではなのか」と。これまで強打者といえば、藤猛、浜田剛史、ロイヤル小林、海老原博幸らが代名詞である。確かにこの4人の世界王者はファンを熱狂させるほどのパワーがあり、存在感を示している。

スーパーライト級の藤は豪快な左右フックが売り物で、「ハンマーパンチ」と呼ばれた。相手をリングの外に吹っ飛ばしたこともあり、どんなに劣勢でも一打逆転の威力を秘めていた。同じクラスの浜田は不気味なほどのパンチャー。サウスポーからの左強打に定評があり、ひたすらKOを狙い続け、頂点に達した。スーパーバンタム級の小林は「KO仕掛人」と表現された剛腕。笑みを全く見せずにKO劇を演じ、リングサイドをしびれさせた。海老原はフライ級だが、サウスポーからの切れ味鋭い連打は天下一品。特に左ストレートは「カミソリ」といわれ、対戦相手を震え上がらせた。

内山は歴史に残る強打者と比べても決して遜色はない。左リードをゆっくり伸ばしながら機をうかがい、左右フックがうなりを生じると相手はひとたまりもない。一発のパワーの迫力には恐怖感さえ覚える。今後はタイトル統一戦、海外進出などより大きなステージでファイトしてもらいたい。本場のファンもそのパンチを目の当たりにしたら…。そう思うだけで痛快になってくる。(津江章二)