モト2参戦2年目の中上貴晶(イタルトランス・レーシング・チーム)が、開幕戦カタールGPで3位表彰台を獲得した。21歳の中上は前回にこのコラムで取り上げた通り、プレシーズンテストで順調な仕上がりを見せ、並み居る強豪選手たちとトップタイムを競って存在感を発揮してきた。

恒例のナイトレースとして行われた2013年の開幕戦でも、走り出しから好タイムを披露。木曜と金曜に行われた計3回の練習走行では、総合トップタイムを記録した。土曜の夜、45分間にわたって争われた予選でも何度もトップタイムを出し、ポールポジションは確実かにみえた。しかし、昨年ランキング2位で今年の総合優勝候補筆頭ポル・エスパルガロ(トゥエンティ・HP・40/スペイン)が、セッション終了直前にわずかにタイムを更新。惜しくも2番グリッドからのスタートとなった。「悔しい、のひと言ですね。でも、肝心なのは明日の決勝なので、自信をもってレースに臨み、この悔しさの借りをきっちりと返したい」と述べた。

その意気込み通り、現地時間日曜夜8時20分に始まった決勝では、スタート直後に飛び出して一気に後続を突き放しにかかった。しばらくは誰もついていけない独走態勢を築いたものの、タイヤが摩耗し始める9周目からフロントタイヤのチャタリング(振動)が激しくなり、エスパルガロたちに追いつかれて順位を落とした。全20周を走り終えて、最後は3位。優勝こそ逃したものの、モト2クラス2年目で初表彰台を獲得した。

「レース序盤はトップを走行していて、もちろん勝ちたいレースだったから、悔しい気持ちはある。とはいえ、これがモト2の初表彰台だし、シーズンの最初を表彰台でスタートできたという意味ではよかったと思う」。今回の結果に対しては、うれしさをあまり感じず、どちらかというとほっとした心境だ、という。「でも、チームの皆が喜んでくれたことは何よりうれしい。シーズンはこれから先16戦あるので、今回の結果を前向きに捉えて、今後につながるように気持ちを切り替えて第2戦のオースティン(アメリカ合衆国)に向かいたいと思います」

開幕直前には、楽しみながらトップ争いをしたい、と語っていたが、その目標は達成できたのだろうか。「序盤はハイペースで走れて存在感をアピールし、レースを楽しめた。最後は順位を落としてしまったけど、3位表彰台で終えられたので…。60点くらいのレースだったな、という印象です」。開幕戦で有力ライダーの一角に名乗りを上げた。百点満点まであと40点分の埋め合わせは、次戦以降の宿題だ。(モータージャーナリスト・西村章)