フルコンタクト(直接打撃)空手が五輪種目入りを目指して大同団結。3月18日に219の流派団体が参加して全日本フルコンタクト空手道連盟が発足した。

空手といえば、今年9月にアルゼンチンで行われる国際オリンピック委員会(IOC)総会へ向けてレスリングや野球&ソフトボールと2020年五輪の残り1枠を争っているが、五輪入りに近づいているのは、世界空手道連盟(WKF)の空手。いわゆる「寸止め空手」で、同連盟は1999年にIOCに承認されており、フルコンタクト空手の先を行っている。

フルコンタクト空手の五輪競技入りは正直なところ、まだ先の見えない闘いだ。しかし、200を超える流派が団結したことは間違いなく一歩を踏み出したといえる。では今後、どう進展すべきなのか。まず空手同士が競り合っていては、道は厳しい。バレーボールにおけるビーチバレーといったように、寸止めとフルコンタクトが一つの競技として訴えていくことが必要だと思う。

2000年シドニー大会から五輪で実施されているテコンドーにも二つの流派があった。国際テコンドー連盟(ITF=武道系)と世界テコンドー連盟(WTF=スポーツ系)で、五輪に採用されたのはWTF。そんな状況下でよく五輪に採用されたと思うが、当時はIOCのアントニオ・サマランチ会長による拡大路線化の影響が大きかったと思う。

肥大化抑止に転換した今、二つの流派が争っているようでは、どちらの空手にとっても五輪採用を目指す上で大きな壁となるはず。WTFは分裂の兆しを見せており、このままでは五輪競技として存続は厳しいとの見方も出ている。五輪競技の地位を確保したテコンドーですら、分裂するようなら先はないとされているのだから、新たに採用を目指す競技に流派があっては話にならない。まず二つの連盟の団結が必要と思われる。

全日本フルコンタクト空手道連盟の緑健児理事長(新極真会)は「世界空手連盟とも話し合っていければ」と対話を求めているが、先を行くWKFが、後続の同連盟からの呼び掛けに応じてくれるものか。とにかく行動を起こさなければ先へ進まない。(格闘技ライター・樋口郁夫)