来年7月にロシアで行われるユニバーシアードにサンボが実施されることがきっかけとなり、“埋もれていた格闘技"サンボが日の目を見るところに進出しそうだ。

サンボの経験者であるロシアのプーチン大統領から「最強チームを派遣してほしい」との要請を受けた日本サンボ連盟が、柔道界とレスリング界に協力を求める一方、柔道の山下泰裕氏の尽力もあって「プーチン大統領杯」という冠を認めてもらい、2月2日に埼玉県上尾市で日本代表選考会をやることになった。

日本には純粋なサンボ選手がほとんどいないので、似たような格闘技である柔道とレスリングに応援を求めるのは当然の流れ。今の大学選手は総合格闘技の全盛期を見ている選手達なので、関節技に興味のある選手は多い。

さすがにトップ選手は参加しないだろうと思ったが、サンボにも挑んだことのある全日本学生柔道連盟の佐藤宣践会長(柔道の世界選手権で2度優勝)は「異種格闘をやることで心が鍛えられる」と、“本業"に役立たせるためにも挑んでほしいことを力説した。

柔道でもレスリングでも、トップ選手は国内では必然的に格下の選手と練習することが多くなる。ともするとマンネリと安閑の中で練習することになるわけで、これでは強化にならない。未知の世界に挑むには度胸が必要。マンネリから脱却して緊張感を経験するためにも、異種格闘技への挑戦はいい機会かもしれない。

サンボ連盟はこの流れを一過性で終わらせてはなるまい。過去にサンボが注目された時期もあったが、いつの間にか話題を聞かなくなった。

かなり以前には「肩書きほしさの人間が連盟の役職にしがみつくだけで、何の行動も起こさない。競技の発展を考えていない」という声を聞いた。サンボ連盟の役員をやっていた知り合いは、しばらくすると「もうやっていない」と冷めた口調で答えた。連盟内のごたごたでやる気をなくしたのは容易に想像できた。

こんなことをやっていては、発展は望めない。まず連盟が一致団結すること。サンボの発展を本当に考えている人たちにより、普及と発展を目指してほしい。(格闘技ライター・樋口郁夫)