6月20日に行われた世界ボクシング評議会(WBC)と世界ボクシング協会(WBA)のミニマム級王座統一戦、井岡一翔(井岡)VS八重樫東(大橋)の一戦は死力を尽くした激闘となり、高い評価を得た。王者が乱立、世界の権威が薄らいでいく中、日本人同士の真っ向勝負に関心が集まっている。そして、最も具体性があり、興味津々なのがWBCスーパーフライ級チャンピオン、佐藤洋太(協栄)―亀田和毅(亀田)だ。

佐藤は8日、指名挑戦者のシルベスター・ロペス(フィリピン)を大差の判定に下し、初防衛に成功した。ファンからの公募で決まった愛称「マジカル・ボックス」(魔法の箱)のように、トリッキーな動きで強打のロペスをほんろうした。「パンチがあり、打ち合いを避けた。勝つためにはこれしかない」とアウトボクシングに終始。積極性に欠けたのも事実だが、最良の策だったと思う。無用な打撃戦はとんだ墓穴を掘ることも多い。ロペスも「スピードについていけなかった」と敗因を素直に認めた。

あらためて佐藤の評価が上がった。変幻自在な動きから、多彩なパンチを放つ。ヒットアンドアウエー戦法で着実にポイントを奪うのが持ち味だ。ガードの甘さは気になるが、スタミナは十分。最後までスピードは衰えない。岩手県盛岡市出身で、グローブに「みちのく魂」と書き、自身を鼓舞している。戦績は25勝(12KO)2敗1分け。日本王座を5度守った実績もあり、安定感も光っている。

その佐藤への挑戦を熱望しているのが、亀田3兄弟の三男、和毅だ。ロペス戦をリングサイドで観戦、「(佐藤に)普通に勝てると思う」と強気に話した。さらに「パンチもないし、ほかに弱点もある。日本人同士なら盛り上がるのではないか」と不敵だ。和毅が佐藤に勝てば、兄弟3人が世界王者という史上初の快挙につながる。話題性も豊富だ。

佐藤が所属する協栄ジムの金平桂一郎会長は「うちはやります。今後のことは佐藤と相談して決める」と前向きな姿勢を見せている。和毅はまだ世界的な強豪との対戦はないが、世界ランクに名を連ねており、3兄弟の中では「才能は一番」と専門家の間ではいわれている。佐藤のスピーディーな変則的な動きに対し、和毅がどう攻略の糸口を発見するのか。好勝負は必至。井岡VS八重樫に続く、「ザ・対決」をぜひ見てみたい。(津江章二)