プロ野球オリックスの担当になって2年目。主催試合を行う「京セラドーム大阪」や「ほっともっとフィールド神戸」のスタンドを見ると寂しくなることが多い。平日ナイターの試合だとあまりの空席の多さにため息が出てしまう。京セラでは巨大な広告で5階席の一部分を覆って隠すほどだ。エース金子千尋投手がけがから復帰して1カ月ぶりの登板となった5月8日のソフトバンク戦(ほっと神戸)では、わずか8015人しか集まらなかった。ファンあってのプロスポーツ。その言葉の意味を考えさせられてしまう。

セ、パ両リーグは5月15日に、その前々日までの入場者数を発表した。オリックスは1試合平均で1万6383人。昨季と同じ主催試合数を消化した時点(オリックスの場合は21試合)での比較で22・1%の大幅減となった。12球団ワーストだ。今年は交流戦が21試合の中に入っておらず、阪神、巨人といった人気カードの入場者が含まれていない。昨年と今年が同じ条件での比較ではないことに留意しなければならないが、やっぱり寂しい数字である。

関西のスポーツ新聞はほぼ毎日、阪神ものが1面を飾る。地上波でのテレビ中継も阪神戦が多い。圧倒的な人気と伝統を誇る阪神が同じ地域にいるために、どうしてもオリックスの存在感が薄まる。さらに大都市の大阪が本拠地のために、他のスポーツや娯楽に関心を奪われてしまう側面もある。

そんな状況でも球団は精いっぱい、努力している。ある球団関係者は「タイガースと同じビジネスモデルではできない。いかにイメージを高めていくか。親しみのある、面白そうな球団と思ってもらえるか」と話した。例えば試合終了後の興奮が冷めやらないグラウンドに観客が入りノックを受けることができる。結婚式までもグラウンドで行うことができ、お気に入りの選手が立会人として参加してくれることも。実際に立会人を務めた大引啓次選手は「自分たちの仕事は応援してくれる人たちがいるから成り立つ。お二人にとって記念となるようにと思っている」とファンサービスの意義を話した。

次から次とイベントを催すことで、世間の興味をかき立てようとしている。4月にはタレントのベッキーさんを呼んで、試合後のグラウンドにステージを設営し日本プロ野球初の試みとしてコンサートを開いた。前身球団の阪急の復刻ユニホームを着て試合し、当日は1984年に三冠王を獲得したブーマー・ウェルズさん、阪急のエースとして一時代を築いた山田久志さんが始球式を務めるなどオールドファンを喜ばせた。幅広い層に関心を持ってもらおうと球団発のアイドルユニットを結成し、6月16日の中日戦前にはデビュー曲も披露した。森川秀樹広報部長は「イベントや企画が目白押しになることでお客さんに来ていただきたい。これでもか、これでもかというくらいにやっている」と意図を説明した。

昨年はユニホームや球団旗などブランドを一新し再スタートを切った。こういったイベントを地道に展開し続けてイメージアップを図る。もちろんグラウンドでは全力を結集して上位争いに絡まなければならない。選手は多くの人たちに見守られる緊張感の中で、観客を満足させるプレーを見せないといけない。個人的には面白いなと思うことを次々とやっていると感じるだけに、世間からもっと注目されてスタンドも埋まってほしいなと願う。それがチームの強化につながるのではとも思うからだ。

山形英資(やまがた・えいし) 2007年共同通信社入社。本社運動部、名古屋運動部を経て大阪運動部に異動。2011年からプロ野球オリックス担当。熊本県出身。