K-1の運営を手掛けていたFEGが東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。1年以上前から休業状態だったが、正式に活動を停止することになった。

今後はK-1 Global Holdings LimitedがK-1ブランドを引き継ぎ、世界でK-1イベントを展開していくとのこと。今年中の日本開催はないが、来年以降の開催を目指し、エグゼクティブプロデューサーにMAX世界王者だった魔裟斗が就任。5月16日の会見で「新しい経営体制の下、K-1を建て直し、成長・発展させていくことが自分の使命だと思いました」と抱負を話した。

「エグゼクティブプロデューサー」という肩書からして、K-1の中心的役割をこなすのかな、と思ったが、選手の発掘やマッチメークが主な仕事で、イベントや大会運営には関わらないとこと。大会運営にかかわらずマッチメークなんてできるのかな、との疑問を感じえなかった。大会運営にかかわらない役職では、所詮、「お飾り」の域を出ない可能性がある。

組織というのは金を集められる人が最終的な権限を持つ。どんなに崇高な理想を掲げても、集金能力のある人の意向に逆らっての行動はできない。

大リーグのコミッショナーは全国放送の放映権を一括管理し、リーグの経営を支えている。だから絶対的な権限がある。日本のプロ野球は球団が放映権を握っており、コミッショナーは金を集めていない。球団に雇われているようなものであり、権限などないに等しかった(現在は改善の方向へ向かっている)。

「エグゼクティブプロデューサー」といっても、運営にタッチせずに改革ができるのか、と思う。魔裟斗からすれば、経営は素人であり、経営危機に陥ったFEGの修羅場を見ているのでタッチしたくない、という思いはあるだろう。

確かにリングでの実績と経営能力は全く別。専門外のことに手を出すべきではないという考えを否定しない。しかし、お飾りの役職では何の改革もできないことも事実。改革とは、その世界を愛する人でなければ実現しない。思い切って運営にも踏み込み、真の改革を目指してほしい。(格闘技ライター・樋口郁夫)