活動を停止していたK-1が復活する-。といっても、茶の間を熱くしたヘビー級やMAXではなく、まず高校生の大会「K-1甲子園」。主催はFEGではなく、K-1創始者の石井和義・前プロデューサーが立ち上げた新しいK-1組織の国際K-1連盟(FIKA)。

したがって「復活」というのは間違いで「新たなスタート」が正しい。今年中にはヘビー級など3階級で国別予選と世界トーナメントが開催されるそうで、今回の大会を皮切りに、以前のK-1に匹敵する熱い闘いが見られそうだ。

FIKAの目指す方向は限りないスポーツ性。夢はサッカーのワールドカップ級のビッグイベントだという。夢は大きいほうがいいから、そうした目標を立てることはいいことだと思う。

それなら、ぜひやってほしいことがある。高校生選手の試合は、どんな試合でも必ずヘッドガードをつけることだ。以前のK-1甲子園は、ヘッドガードは「主催者で用意する」となっているが、義務なのか、着用する場合は主催者の用意したものを使え、ということなのかがあいまいで、着用を義務付けるルールとは思えなかった。実際につけていない試合を多く目にした。

新しいK-1甲子園のルールも準決勝までは同じような条文。決勝に関しては「技量的に優秀な2選手での試合であるため、ヘッドガードを使用せず、素面で行うものとする」となっている。

スポーツ性を目指す新K-1の姿勢として、この部分が引っかかった。アマチュアボクシングでは、オリンピックを含めてシニアの試合でもヘッドガードが義務付けられており、安全面に大きな配慮がなされている。これが打撃格闘技のあるべき姿ではないだろうか。

あるキックボクシング団体の会長が「高校生にヘッドガードも着用させずに試合をさせるなんて、あんなものスポーツじゃない」と話した場面に遭遇したことがあった。K-1人気への嫉妬はあったと思うが、的を射ていると思った。

安全への配慮がおろそかにされ、後遺症が残る可能性がある闘いは、スポーツとして世間に受け入れられることはない。石井代表に再考を求めたい。(格闘技ライター・樋口郁夫)