4月6日、東京国際フォーラムで世界ボクシング評議会(WBC)のダブルタイトルマッチが行われるが、スーパーフェザー級王者の粟生隆寛(帝拳)と同じリングに上がるのがバンタム級王者の山中慎介(帝拳)だ。しかも、プレッシャーの懸かる初防衛戦の相手は実績豊富なビック・ダルチニャン(オーストラリア)。「強い相手じゃないと燃えない」という山中のパフォーマンスが見どころとなる。

確かにダルチニャンは並のボクサーではない。シドニー五輪に出場後、プロ転向。2004年に国際ボクシング連盟(IBF)フライ級タイトルを獲得した後、 08年にはIBFスーパーフライ級王座を獲得し、その後、統一王者ともなった。現在36歳。さすがに全盛期のパワー、スピードは影を潜めているが、積み上げたキャリアには捨てがたい味がある。戦績は37勝(27KO)3敗1分け。「レイジング・ブル」(怒れる闘牛)の異名を持つサウスポーは、3階級制覇へ照準を合わせて来るだろう。

山中は9連続KO勝ちを続ける同じサウスポーの強打者。高校時代に国体の少年フェザー級で優勝。専大では主将も務めた。06年1月にプロデビューし、昨年11月のWBC王座決定戦で11回TKO勝ちし、念願の新王座に就いた。切れ味鋭い左ストレートを得意とし、一打必倒の威力を秘めている。

同じ帝拳には、人気・実力とも絶頂のWBCスーパーバンタム級チャンピオン、西岡利晃がおり、その存在が刺激になっているはずだ。西岡は昨年10月、本場ラスベガスでタイトルを守り、日本人初の快挙を達成した。防衛回数を伸ばすとともに、米国のリングに立ちたいという強い意欲を示す。「そのためにも期待を抱かせるようなボクサーでいたい。新たな可能性も探していきたい」と専門誌のインタビューに応えている。

試合は初回からスリリングな打撃戦が予想される。お互いのパンチを警戒しながら、激しい打ち合いは必至だ。その中、中盤を過ぎると29歳・山中のパワーが主導権を握るのではないか。15勝(11KO)2分けとまだ負けを知らない勢いがベテランの巧さを

封じるような気がする。果たして、ビッグネームをどのように仕留めるのか。山中のボクシングから目が離せない。(津江章二)