世界で最も過酷なレースとして知られる「ダカール・ラリー」が1月1日に始まる。

前回大会の四輪部門で初の総合優勝を果たしたナセル・アルアティア(カタール)が移籍するなど、3連覇中と圧倒的な強さを誇っていたフォルクスワーゲン勢の勢いに陰りが見られる。加えて、ルートが大幅に変更されたため、どのドライバーにとっても未体験のコースとなる。このため、優勝争いは近年になく激しいものになりそうだ。

ヨーロッパとアフリカから南米に舞台を移して今回で4度目。1日に大西洋に面したアルゼンチンの港町、マル・デル・プラタをスタートし、標高4500メートル以上のアンデス山脈を越えて、チリのアタカマ砂漠を走破した後、ペルーの首都リマで15日にゴールを迎える。総走行距離は四輪部門で約8000キロになる。

前回までは、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスを出発し、チリに入った後に再び、ブエノスアイレスを目指す総走行距離9000キロ(四輪部門)超のルートだった。コースディレクターのダヴィッド・キャステラは、新ルートについて「どこがヤマ場になるか断言できない。毎日毎日、新しい難題がやってきて、競技者はそれを一つ一つ乗り越えるといった感じだ」とのコメントを発表している。距離こそ短縮されたが、マシンとドライバー双方にとって、一瞬たりとも気を抜けない厳しいレースであることに変わりはなさそうだ。

日本勢も忘れてはならない。現在70歳、29年連続出場となる菅原義正は、今回もトラック部門に挑戦する。参戦を発表する記者会見では「あと20年頑張りますので、ぜひ90歳までよろしくお願いします」と語るなど、古希を迎えたとは思えないほどの意気軒高ぶり。同部門にはクラス3連覇を狙う次男の照仁も出場する。親子の走りに注目したい。

四輪部門の市販車クラスでは、トヨタ車体が7連覇を目指す。自身4度目となるクラス制覇がかかるエースの三橋淳も、チームのブログで「集大成のダカール・ラリーでは、負けるわけにはいかない」と力強く記した。

かつてのように総合優勝争いをすることはないものの、果敢に参戦する日本勢の奮闘ぶりにも期待したい。(榎並秀嗣)